ボディガードは不要です3【沖矢昴】【安室透】 (ページ34)

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morning coffee ページ34

朝の5時だけど、私は促されるまま先にシャワーを浴びる。朝食作りは彼が身支度を整えている間に請け負うことにした。

――っていっても、パンを温めてオムレツ作ってコーヒー淹れるだけなんだけど。
ついでに、スープかサラダも添えようかなと考える。普段は私が買わない野菜がたくさん入っていたから。

どうみても、食生活に無頓着そうな彼が考えながら選んでくれたのかなと思うと自然と口角が上がる。

食品に加えてお酒が山ほど増えていることに驚くと同時に、それはここに長くいてくれるつもりなのかなと思うと、頬も緩んだ。

もっとも、2LDKなんて絶対に彼には狭すぎることは分かっているんだけど。あいにく、簡単に広いところに引っ越すほどのお金なんて持ち合わせていない。

浴室から出てきた赤井さんは――当然のように昴さんで季節外れのハイネックを身にまとっていて私は大きく困惑する。

同じ人だってわかっていても、どうしても脳がそう認識できない。

困惑している私に気が付いたのか、昴さんは当たり前みたいに私に近づくとふわっと頭を撫でて「おはようございます、Aさん」といって、まるで今朝初めて会ったみたいな顔で頬にキスするから余計に困惑する。

「絶対からかってますよね？」って聞いてみても、楽しそうな笑みが返ってくるだけで――。ほんっと、もう。

私は振り回されるほか、ないのかもしれない。