nightmare2 ページ32
「じゃあ、昨日あなたの偽物に捕まった話からしてもいい?」
「どうぞ」
私はコナン君と哀ちゃんとのカラオケ帰りに起きた、一部始終を口にする。
そして、私のせいで父の弟が殺された話も――。
「父の弟のことは、あの人に言われるまですっかり忘れていたけれど――。
私が父を迎えに行ったせいでおじは殺されたのを思い出して……」
「それはAのせいじゃない。
彼らは――ジンとベルモットは、遅かれ早かれ、違いに気づけば同じことを――」
「知ってるんだ?」
ベルモットって人が赤井さんの姿をしてたってことだよね?
「まあ――FBIだからな」
行間に含まれた沈黙の意味が、わかるほどの推理力も洞察力も私にはない。
「……ってことは、そもそも私が参加したニューイヤーパーティもその人たちと関係あったの? あの時殺害された人は誰? 私は普通に応募した――って華絵が言ってた」
そういえば華絵から誘われただけで私が応募したわけではない。
「ほら、あのスーツケースの持ち主。地元の友達で今日米花百貨店で一緒に食事したんだよ。そういえば、そこでジョディさんを見かけた気がしたわ」
「ずいぶん話が飛ぶな。もう寝た方がいい」
「秀一もこのまま寝て」
私は布団から出て彼に抱き着く。そうじゃないと絶対に私が寝たとたんに隣の部屋に行ってしまう。
「朝まで、絶対、傍に居て」
「――姫の仰せのままに」
狭いシングルベッドに彼を閉じ込めるのはよくないかなってちらっと思ったけれど、もう深く思考を巡らせることもできずそのまま深い眠りに落ちてしまった。
274人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まつり | 作成日時:2022年6月16日 15時