ボディガードは不要です3【沖矢昴】【安室透】 (ページ22)

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「――先輩、家が燃えたって本当？」

「ええ……。驚きました。
　ボウヤから聞いたんですね」

「どうして私に教えてくれなかったんですか？」

昴さんはふわりと笑う。

「Aさんはぐっすり眠っていたから。わざわざ起こして伝えるほどのことでは」

言葉の意味が分からず、瞬きを繰り返す。

「それに、今日こそ起きているときに会えると思っていたんです」

言葉を咀嚼するのに、時間がかかる。

「昴さん、私と会うの何日ぶり――？」

彼は時計に目をやると

「今が16時前ですから、そうですね――14時間ぶりでしょうか」

何を当たり前のことを聞いているのかわからない、という風に彼は首をかしげると私の手から花束を持ち上げサイドテーブルに置き、ベッドサイドにある簡易な椅子に座る。

「――私の計算ではもう5日も先輩に会ってないんだけど」

「それは、私に会いたくて淋しさを感じるくらい好きって解釈していいんですよね？
　ちなみに、私の計算ではその間に――4回はあなたに会っていますよ」

話がまるで噛み合わないのに、そんなことまるでお構いなしに彼は私の唇に自分の唇を重ねた。