ボディガードは不要です3【沖矢昴】【安室透】 (ページ3)

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morning kiss2 ページ3

知りたい、と思うのは先輩のことを「好き」になり始めているからだろうか――。

そう思った途端に、急に心臓が騒ぎ始めた気がした。

慌てて視線を逸らす。

「痛かった？」

優しい声音が、心臓の奥の柔らかいところをきゅっと掴んでいく。

「ううん――大丈夫。この前あの人が病院紹介してくれて――。
　医師から痛むのは、傷そのものじゃなくてPTSDだろうって言われたから、しばらく通わないといけないんだった……」

「病院の名前がわかるなら、私が連れて行きますよ？」

「でも、都心の方だし、そんなの――」

「遠慮しないで」

「ありがとう……」

素直にうなずけば、いい子、と頭を撫でれられた。

それがあまりに幸せな気持ちにしてくれたから、ふわりと気持ちが緩み――私は初めて自分から、先輩の頬にキスをした。

先輩は目を丸くして、その後ふわりと素敵な笑みを浮かべ「怖くないよ」と囁いた後で私の唇に、自分の唇を重ねた。

ドキンドキンと心臓がうるさく騒ぐ。

恋に慣れた先輩はびっくりするだろうか。
私は幸せが涙になって溢れてしまう。

あんなになんでも話せるのに、どうして簡単に言えないんだろう――。

沖矢先輩、好きです――って。

凍り付いたように唇が動かない。

恋に不慣れな私は、ただ、ぎゅうと先輩の胸に顔をうずめることしか出来なかった。