ボディガードは不要です2【安室透】【沖矢昴】

Liar12 ページ38

「Aさんって、大学で何の勉強しているの？」

突然、コナン君が切り出した。

「私？ 工学部で――なんて説明したらいいのかな？ 理論を勉強したり、それを応用して実際に物を作ったりしているわ。私はAI系のプログラミングが割と好きよ」

勉強の話を降ってくれたのは本当に嬉しい。
隣のテーブルに暇そうに安室さんが座っていることは気にしないでおこう。

「わぁ、なんかかっこいいね！そういうのって、昔っから好きだったの？」

「そうね。もともと好きだったなあ」

「高校の頃とか？」

「あ、そうそう。高校の時にね、教師の交換留学みたいな制度があってね、それでたまたま物理学の有名な先生が外国から短期講習に来てくれて、そこがきっかけでのめりこんだってのもあるなぁ」

「ふぅん。楽しそう！ねえねえ、Aさんってどこに住んでいたの？ もともと東京の人？」

「ううん、地元は〇〇だよー！
　東京に来たのは、大学進学のため」

「へぇ、そこって××が美味しくって有名だよね。行ってみたいなー。
　ずっとそこに住んでいたの？」

「ええ、生まれたときから上京するまでずっと。――コナン君は？ ずっと東京？」

「うん、僕はずっと米花町！」

こういう、なんでもない会話を交わす能力を、先輩と安室さんにも身に着けてほしい――。
私はコナン君と他愛ない会話をしながら、割と本気でそう思った。


いや、たぶん能力は十分にあると思うので、是非いまここで発揮してください。ほんっと……。

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