検索窓
今日:25 hit、昨日:190 hit、合計:180,739 hit

鬼雨7 ページ13

「赤井さん――」

自分の声で目が覚めた。
私はいつの間にかポアロで眠っていたみたい。

片付けが済んだ安室さんが困った顔で私を見つめていたのでハッとする。

「すみません――、私、気づいたら眠ってて」

「あんなに怖いことがあった後です。気にしないで。
 ずっと眠っていても良かったのに」

そういうと、二人掛けの椅子の隣に座った安室さんの指が私の頬に触れた。
それが涙をぬぐっているのだと気づくまでに少し間があった。

「私――」

赤井さんのことを思い出して、泣いていたのかもしれない。


「あなたみたいな素敵な人を悲しませる人がいるなんて」

とても切ない声でそう言われると、なんていったらいいのかわからなくなる。
そもそも安室さんの言う、「私を悲しませる人」って誰のことだろう――?


まさか、安室さんはFBIの「赤井さん」を知っていたりはしないはず。あの時、名前のわかるものなんて身に着けてなかったよね?

私は深呼吸して頭を巡らせた。
安室さんと私の間に共通する人って誰かいる?



「さっきのひったくり犯のことですよね?
 本当――、なんなんでしょう、あれ……」

思い出すだけで、嫌悪感が走る。

「すみません、そういう意味では」

安室さんの額が、私の額に触れた。その顔も、さらさらの金髪もすごく綺麗――と見惚れている場合じゃない。

――近すぎて、めまいがする。

「安室さん、近いです――」

「そうですか?」

吐息が触れるほどの距離に心拍数が跳ね上がる。

鬼雨8→←鬼雨6―安室side―



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (111 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
345人がお気に入り
設定タグ:安室透 , 沖矢昴 , 名探偵コナン   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

まつり(プロフ) - byate959さん» リクエスト、ありがとうございます。本編(沖矢さんルート)終了後、番外編で分岐点までさかのぼり、安室さんルート書ければと思っていますー!まずは本編頑張りますね。 (2022年6月15日 10時) (レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
byate959(プロフ) - 沖矢さんルートが終わったら、どこかのタイミングで安室さんルートが読みたいです。どちらのルートもありで (2022年6月15日 9時) (レス) @page38 id: 8b6f74a7e0 (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - ゆうらさん» 応援ありがとうございます!沖矢さんルートで書きますね。更新、頑張ります。 (2022年6月14日 11時) (レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - ぽむさん» ありがとうございます!今回は沖矢さんルートで書かせていただきます! (2022年6月14日 11時) (レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - 黒杏さん» はじめまして。気に入っていただいて本当に嬉しいです。沖矢さんルートで書きますね! (2022年6月14日 11時) (レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まつり | 作成日時:2022年6月8日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。