検索窓
今日:2 hit、昨日:12 hit、合計:5,570 hit

6日目【安室Side】 ページ7

僕は自分のことを、冷静沈着で常に自分を保てるタイプだと信じている。

でも、ごくたまにこのペースをかき乱していく人がいる。

――例えば、ライ。
初めて会った時からいけ好かなかった。
ライフルの腕は抜群で、仲間として信頼できることはわかっているのにそれでもな――だ。

まさかアイツが潜入捜査官だったなんで、組織を追われるまで全く気が付かなかった。
同じセーフハウスで暮らしたことすらあるというのに。

――例えば、江戸川コナン。
子どもだとは思えない頭の切れ方。
彼を前にすると「どこに注意すれば良いのか」を見誤ることも少なくない。

味方にすれば良いだけなのに、彼には心を許し過ぎるなと第六感がいつも騒ぎ立ててきて煩いほどだ。

そうして――Aさん。
何でもない顔で話をしているのに、時折本質をついてくるから怖い。
昨日だって何食わぬ顔で「本業」があるなんてことを示唆してくるし。

油断ならない。

僕は彼女に気づかれたくないのだ――。
そして、実のところは気づいて欲しい。


『僕たちの過去に何があったのか』


会社から出てきたAさんに声をかける。
出来れば会社の同僚が居ればいいのに、と思う。
できるだけ親し気に声をかけて、わざと値の張るレストランの名前を出す。

「今夜はそこで食事をしましょう。ええ、もちろん予約済みです」

「ちょっと、チョコレートだけで十分なのに!」

目を丸くする彼女はとても愛らしい。

「先日のお礼ですよ」

「ふぁ、ファミレスとそのレストランじゃ釣り合いがとれないじゃないですか!」

「そんなことはありません」

周りの人に僕のことをAさんの恋人だと誤解して欲しくて、彼女の傍をわざとゆっくり歩いた。

7日目→←5日目



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (38 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
115人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 安室透
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

まつり(プロフ) - みらい@マサイさん» コメントありがとうございます。クリスマスまでに書き上げる予定がすっかり遅刻ですが……。せっかくなのでラストまで頑張りますね〜 (1月11日 14時) (レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
みらい@マサイ(プロフ) - お初です!ランキングから気になるタイトルだったので見に来た所存です← リアルな展開も混じり続きがすげぇ気になります…ッ!主様のペースで頑張ってください! (1月11日 11時) (レス) id: 98691296bc (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まつり | 作成日時:2023年12月18日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。