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5日目 ページ6

翌日はまた、閉店間際に出向いた。

安室さんは一人で店に居た。
他のお客さんが居ないと、少しテンションがあがる自分に気が付いて驚く。

「安室さん、明日が定休日ですよね?」

「ええ、そうです。
 解決策はありますか?」

「もちろんです。今日2つチョコレートを頂ければ問題ないです」

おや、と、安室さんが目を丸くした。
その後ふわりと笑う。

「こういうのは毎日一つずつ、が大切なんです。
 一度崩れるとなし崩しになっちゃうことも珍しくないですよ?」

せっかく一日一つのお楽しみなのに、と言いながら安室さんはまたこれまでに見たことのないチョコレートを一つ、私にくれた。

「その辺は安室さんがしっかり管理してくれているから大丈夫ですよね?」

「あの近くに会社があるんでしょう?」

安室さんは私の質問に応えずにそう問う。
カウンターに戻って片づけを始めるんだからずるい。

「ええ、まあそうですけど」

嘘をついても仕方がない。

「では明日お迎えにあがりますよ」

「え? 折角バイトが休みなんだから自分のことこなしてくださいよ。
 本業に差し障りますよ?」

え? と、安室さんが片付けようとした皿を落とした。
パリンと派手な音が静かな店内に響く。

「ちょ……っと。安室さん、大丈夫ですか?」

私は慌てて立ち上がり、カウンター内に入ろうとした。

「あ、ええ。平気です。
 すみません、ちょっと手を滑らせてしまっただけで。
 Aさんにケガをさせると悪いので、そちらで」と、やんわりと断られる。

「安室さん、ケガしてないですか?」

片付け終わった彼に問えば、

「ええ、平気です」と長い指と綺麗な手を見せてくれた。

結局、明日会社の近くで会うことを半ば強引に約束させられて、私はポアロを後にする。

6日目【安室Side】→←4日目



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まつり(プロフ) - みらい@マサイさん» コメントありがとうございます。クリスマスまでに書き上げる予定がすっかり遅刻ですが……。せっかくなのでラストまで頑張りますね〜 (1月11日 14時) (レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
みらい@マサイ(プロフ) - お初です!ランキングから気になるタイトルだったので見に来た所存です← リアルな展開も混じり続きがすげぇ気になります…ッ!主様のペースで頑張ってください! (1月11日 11時) (レス) id: 98691296bc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まつり | 作成日時:2023年12月18日 16時

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