アドベントカレンダーと安室さんと私

2日目 ページ3

その日は遅い時間だったけれど他にお客さんがいた。当然、そんな日もあって私は少し悩んでしまった。コーヒーと、何か頼まないと出しづらいよね？

カフェでコーヒーを飲みながら手帳を眺めて一日の整理と明日の仕事の予定を立てるのが好きなのだ。家に帰ると何もかもどうでもよくなっちゃうから。

安室さんに「コーヒーの他に、何かおすすめありますか？」と聞くと、
「ああ、ではこちらはどうでしょう？」とメニューの何もないところを指してくれた。

本当にそういうところがスマートだよね。「じゃあこれで、お願いします」「はい、どうぞ」と、チョコを袋から開けておいてくれた。

角度的に他のお客様の目に触れないようにしているのも完璧で、本当はポアロの店員以外に何かとんでもなく秘密裏な仕事でもしているんじゃないかって勘繰りそうになるほどだ。

私だけにしてくれているのか、
他のお客さんともこうやって遊んでいるのか、


――なぜか不意に気になった。

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