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197グラム ページ8

溜まった仕事を片付けて社長室に向かおうと思っていたのだけれど、社長の方からこちらに顔を出してくれた。

「すみません。こちらから伺う予定だったんですが」

「ああ、そろそろ頃合いだと思ってね。ところで、早めのランチはどうかな?」

どんな時も飄々としている社長なので、表情だけでは何が言いたいのかはわからない。

「社長からのお誘いなんて光栄です、喜んで付き合います」

私はPCの電源を落として立ち上がる。

「同行を許可していただけるとありがたいのですが」

昴さんの言葉に、社長はほんの一瞬表情を曇らせた。

「――まあ、そう言うだろうと思っていたよ」

私たちは足早にオフィスを後にした。

個室のあるレストランに入り、豪華な和食を運んで時貰った後、社長は早々に人払いした。

「君、インターポールに興味はないか?」

「インターポールですか?」

インターポールって、テレビアニメでしか聞いたことがないような名称だけど。
実在していたことにほんのちょっと驚く。

「ああ、優秀なSEを探しているらしい。半年間、場所は日本国内だと言っていたが――」

「最近色々と落ち着いていますし、仕事の振り方も覚えたので私は良いですけど、それってクビってことですか?」

「まさか、斎藤長官からクレームが来る。うちからの派遣だ。
 もちろん、インターポールとうちとのコネクションについても築いておきたいのだが、いろんなところに顔を出していた方が君も安全なんじゃないかと思ってね」

社長は流れるような口調で言った。

「警察とFBIだけでは、コネクションが足りない――と言うことですか?」

「察しが良くて助かるよ」

社長の目は笑ってない。

「ご心配は承知しておりますが、今のところ不正アクセスも確認されていませんし」

何がそんなに社長を不安にさせているのか私にはわからない。

「それに、社長は警察にもFBIにも何も相談されてないですよね?」

「後ろ盾がある、と見せつけることが大事なんだ。車にも良くシールが貼り付けてあるだろう?『ドライブレコーダー搭載』って。あれと同じだ、抑止力だよ」と社長は言う。

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まつり(プロフ) - 彩香さん» ありがとうございます!あれもこれも書きたくてなかなか完結しないのですが、のんびり読んでいただけると嬉しいです。 (12月11日 21時) (レス) id: 91a8359b9e (このIDを非表示/違反報告)
彩香(プロフ) - いつも楽しく拝見させていただいています!大変だと思いますがご自身のペースで続けて欲しいです!まつりさんの作るシーリーズ大好きです!!これからも頑張って下さい!応援しております。 (12月11日 18時) (レス) @page1 id: 933da0752b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まつり | 作成日時:2023年6月15日 16時

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