237グラム ページ48
「ただいま」
零の声で目が覚めた。
「零――?」
私は自宅のソファに居ることに驚いた。
さっきまで工藤家でキッド君と一緒に大事な話をしてたよね?
「疲れていたんだな。起こして悪かった」
ソファに来て頭を撫で、キスを落としてくれる。
「ううん――えっと。今、何時?」
「18時過ぎだ。夕食、まだだろう。今から作るよ――赤井は?」
「知らない」
尖った声になったのは仕方がない。だって私に毛布がかけてあるってことは、絶対にシュウがここまで運んでくれたってことだよね?
話の途中でハーブティをいれてくれた。あれを飲んだ後の記憶がない。
キッド君との話し合いから私を除外するなんてひどい。
「喧嘩でもしたのか? 珍しい」
零がそれ以上突っ込まなかったのは、スーツを脱いでホームウェアに着替え、夕食作りに忙しいせいだ。
「たまにはね、そんなこともあるわ」
まあ、どっちかっていうとこれから喧嘩が始まるんだけど。
でも、零にキッド君との仲を教えられないから厄介だよね。
気持ちを切り替えて、キッチンで零がてきぱきと調理しているのを眺める。
ちょっと安室さんっぽくって、かなり好きだ。
「疲れた顔をしている。レモン水でも飲む?」
「ん……ありがとう」
まさかこれも睡眠薬入りってことはないよね?
と、聞くこともできず私は頷いて渡されたグラスに口をつけた。
「冷たい。美味しい」
「それは良かった」
零の作ってくれた美味しい夕食を取って二人で眠った。
シュウからは連絡も来なかったし、私が起きているうちに帰宅することもなかった。
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まつり(プロフ) - 彩香さん» ありがとうございます!あれもこれも書きたくてなかなか完結しないのですが、のんびり読んでいただけると嬉しいです。 (12月11日 21時) (レス) id: 91a8359b9e (このIDを非表示/違反報告)
彩香(プロフ) - いつも楽しく拝見させていただいています!大変だと思いますがご自身のペースで続けて欲しいです!まつりさんの作るシーリーズ大好きです!!これからも頑張って下さい!応援しております。 (12月11日 18時) (レス) @page1 id: 933da0752b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まつり | 作成日時:2023年6月15日 16時