233グラム ページ44
「何してるんだ」
その、完全に空気が凍るような冷たい声が私の――そしておそらくキッド君の――背筋を凍らせる。
「ちが、何もしてない。
キッド君は私を助けてくれただけなの――」
「ほぉ」
全く納得していない口調で、昴さんは有無を言わせず私をお姫様抱っこした。
「本当に、何もしてないよ？」
「俺に不意打ちされたのも、その後おねーさんの腰が抜けたのも本当だけどな」とキッド君が余計なことを言う。
なんでこんなに緊張感のただよう空間でそんな冗談が言えるかな。
あと、君の姿は完璧に女性なので口調を考えて。
ぎゅうと、昴さんの私を掴む手に力が入る。
痛くないギリギリのラインに加減してくれているとは思うけど――。
「ねぇ、落ち着いて考えてよ。
私が路上で高校生と浮気するわけないでしょ？」
「ほぉ――」
不意に昴さんの眼鏡が光った気がした。
「もしかして、本命とは路上で楽しめるタイプですか？ちょっとテンションが上がってきました」
今の話で、喰いつくところそこ？
「意味が分かりません――未成年の前での発言には気を付けてください。あと、恥ずかしいからそろそろおろして？ もう落ち着いたし歩けます！」
美丈夫と、美女と、私。
ちょっとした路地に隠れていたって、もはや周りの視線をたっぷり浴びている。
ここ、公安からそう遠くはないんだからね？
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まつり(プロフ) - 彩香さん» ありがとうございます！あれもこれも書きたくてなかなか完結しないのですが、のんびり読んでいただけると嬉しいです。 (12月11日 21時) (
レス) id: 91a8359b9e (このIDを非表示/違反報告)
彩香(プロフ) - いつも楽しく拝見させていただいています！大変だと思いますがご自身のペースで続けて欲しいです！まつりさんの作るシーリーズ大好きです！！これからも頑張って下さい！応援しております。 (12月11日 18時) (レス) @page1 id: 933da0752b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まつり
| 作成日時：2023年6月15日 16時
