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230グラム ページ41

「これはあくまでもサンプルなんです。
 本格的に使っていただく仕様にはなっていなくて。

 説明が足りなくて申し訳ありません。当社の商品を本格的に運用したい場合は別途ご相談ください」

「そうですか……」

わかりました、確認して後日連絡しますと言って担当者が席を立つ。

「結果は風見さんあてに報告してもらってもいいですか?」

出ていく寸前、
「カラスダさんが許可したって言ってましたよね?」と、向こうで話しているのが聞こえてきた。

とはいえ、部外者の私が突っ込むわけにもいかない。

「風見君、君がここに来るなんて珍しいな」と、途中で背の高い男に呼び止められた。
私はあえてうつむいたまま顔をあげなかった。

通りすがり、ちらりと男を見た。どこかで見たような気がするけれど思い出せない。

「風見さん、さっき名前が出た方、ご存じですか?」

私はさっきのエリアから離れ、周りに人がいなくなってからこっそり聞いてみる。

「――公安の人間は、少しでも班が違えば互いに名前を名乗りあわないことなどざらなので」

なるほど。

なんかそれって逆に物騒な気もするけど、いいのかな――。
中に入り込むためのセキュリティは厳重だから、ここにいる人間は全員安全だという思い込みが働くのかもしれない。

いや、単に風見さんから私に対するけん制なのかもしれないな。
あれこれ公安の人の正体を探そうとするなっていう――。

「でもまあ――ご迷惑をおかけしたので教えましょう。
 さっき私が話していた相手がカラスダさんです」

私があれこれ疑っている間に、風見さんはさらりと教えてくれたので心底驚いた。

「――うっそ……!」

あんな偉そうな人相手に勝てる気がしない……

「斎藤長官とどっちが上?」

「そりゃ立場的には間違いなく長官ですけど。警察と公安の問題にまで発展させるのはやめてもらえると助かります……」

まあ、そうなるよね。
――確かに、こうなることを予見できなかった私も悪いし――

仕方ない、と若干この件について私は諦めかけていた。

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まつり(プロフ) - 彩香さん» ありがとうございます!あれもこれも書きたくてなかなか完結しないのですが、のんびり読んでいただけると嬉しいです。 (12月11日 21時) (レス) id: 91a8359b9e (このIDを非表示/違反報告)
彩香(プロフ) - いつも楽しく拝見させていただいています!大変だと思いますがご自身のペースで続けて欲しいです!まつりさんの作るシーリーズ大好きです!!これからも頑張って下さい!応援しております。 (12月11日 18時) (レス) @page1 id: 933da0752b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まつり | 作成日時:2023年6月15日 16時

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