224グラム ページ35
すっかり拗ねた零の腕を掴んで、クリスマスツリーを探す。
でも、そうしているとすぐに昴さんがふらっとどこかの売り場に消えてしまうので、私は仕方なくもう片手で彼の手を掴んだ。
周囲の人の視線は、この際気にしないことにする。
「しゅ……昴さんはやっぱり大きなツリーの方がいい？」
「そうだな。大きなツリーもいいが、クリスマスが終わった後片づけるスペースがないんじゃないか？」
口調がすっかりシュウだった。
「日本のツリーはコンパクトに折りたためるからいいの」
「なるほど」
「いいよね、零？」
私は腕を組んだまま零を見上げる。視線を合わせると、零はようやく笑ってくれた。
「――今、片付けの全部を僕に丸投げしただろう」
「だって……。片付けることまで考えてクリスマスの準備なんてしないもんっ」
「だから、それが散らかる原因だと言ってるだろう。
部屋のスペースを考えて購入しないと。
――でもまあ、ツリーの置き場がなかったら以前君が住んでいた部屋に運んであげるから好きなものを選んでいい」
「いいの？」
「駄目だと思ったら、そもそも今日のショッピング自体を断った。
好きなものを選んでいい。片付けは僕に任せて」
今日は君の笑顔がみたくて来たのに、不機嫌になって悪かった、と、頭にごくごく控えめなキスが降ってきた。くすぐったい気持ちになって笑顔がこぼれる。
それはずるい、と、昴さんまでキスしてこようとするので私は2人から逃げ出すほかない。
人ごみで迷子になるから危ない、と、私をことさら子供扱いして、捕まえてくる2人の手をかいくぐる。私たちは、そうやって楽しく笑い合いながら、クリスマスの準備を整えた。
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まつり(プロフ) - 彩香さん» ありがとうございます！あれもこれも書きたくてなかなか完結しないのですが、のんびり読んでいただけると嬉しいです。 (12月11日 21時) (
レス) id: 91a8359b9e (このIDを非表示/違反報告)
彩香(プロフ) - いつも楽しく拝見させていただいています！大変だと思いますがご自身のペースで続けて欲しいです！まつりさんの作るシーリーズ大好きです！！これからも頑張って下さい！応援しております。 (12月11日 18時) (レス) @page1 id: 933da0752b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まつり
| 作成日時：2023年6月15日 16時
