213グラム ページ24
メアリーを見張っているのがバーボンなら、私に危害が加えられることなんてない。でも、シュウがメアリーにどれだけ何を伝えるのかわからないので、一緒の場には居られない。
そう考えた私は、昴さんとメアリーの打ち合わせの邪魔をしないように、カフェでお茶でも飲むことにした。
メアリーはMI6の部下もそこにいるから何かあったら頼れと言う。
相変わらず過保護だ。
でも、そんな風に私のことを気にかけてくれる人がこの世界に居ることはとても嬉しい。
「なににしよっかなー」
お昼にはまだ早い時間。ドリンクだけでもいいかしら、と、思いながらメニューをぱらぱらとみていたら
「あら。一度目は偶然、二度目は必然って知ってる?」と、柔らかい女性の声がした。
顔を上げると、先日レストランのモーニングで出会った美女だ。さすがに服は着替えている。
「あ……と、同じホテルに連泊していればそういうこともありますよね? お仕事ですか?」
当然のように向かいに座る彼女に、私は戸惑いつつも声をかける。
「ええ、そうなの。
あなたも?」
「ええ、まあ……」
曖昧に答えをはぐらかすと、彼女は私が閉じたメニューに手を伸ばし、何を食べようかしらと真剣に悩み始める。
「じゃあ、これとこれお願い」
と、やたらと頼むからびっくりした。彼女の方は、紅茶しか頼まない私を見て目を丸くする。
「それだけ?」
「だって朝食は食べたし、昼食にはまだ早いかなって……」
「食べられるときに食べておかなきゃ。次いつ食事できるかわからないじゃない?」
と、武士みたいなことを言い始めるからびっくりする。
そのスーツからして、ビジネスパーソン、だよね?
それとも、もしかして、彼女も警察やスパイ関係の人なのかしら……。
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まつり(プロフ) - 彩香さん» ありがとうございます!あれもこれも書きたくてなかなか完結しないのですが、のんびり読んでいただけると嬉しいです。 (12月11日 21時) (レス) id: 91a8359b9e (このIDを非表示/違反報告)
彩香(プロフ) - いつも楽しく拝見させていただいています!大変だと思いますがご自身のペースで続けて欲しいです!まつりさんの作るシーリーズ大好きです!!これからも頑張って下さい!応援しております。 (12月11日 18時) (レス) @page1 id: 933da0752b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まつり | 作成日時:2023年6月15日 16時