212グラム ページ23
私たちは例のホテル、メアリーとマスミの元に行った。
「Aの新しい恋人か?」と、マスミに突っ込まれるのも当然だった。
「ご心配なく。口説いている途中です」と丁寧に説明している昴さんにぎゃんぎゃんと噛みついているマスミは可愛らしい。
兄妹として一緒に暮らしたことはないって聞いたけど、やはり気が合うんだろう。
「誰に見張られていたのか分かってるの?」
私はメアリーに聞いてみる。
「Aを巻き込む気はない。あの子に悟られたくはなかったのだが、巻き込んで悪かった」という。
「写真や動画から人物を絞り込む方法、少しは知っているわよ?
来年、半年間インターポールでの仕事も決まっているし」
「そういう危ないことに首を突っ込むんじゃない。
――本当、私の子供たちは揃いも揃って。親に心配をかけるのが得意だな」
そういって、くしゃりとメアリーの小さな手が私の頭を撫でた。コナン君や哀ちゃんは年相応に思えるのに、メアリーには元の姿を重ねてしまう。
ふふと笑う私とメアリーの距離が近いことに気づいたマスミが割って入ってきた。
「ちょ、ずるいってばー!」
元気になって良かった。
「マスミ、今は大丈夫だから少し寝たら? 夜の間眠れなかったんでしょ?」
「そうやってすーぐ子供扱いするんだから」
唇を尖らせながらも、ふわぁと欠伸をしてマスミはベッドに横になった。
私とメアリー、そして昴さんの三人で隣の部屋へと移って話をする。MI6が隠し撮りした何枚かのシルエットはおそらくバーボンのものだ。
「先日まで過ごしていたホテルの場所を突き止められた。
なかなかに優秀な奴だな」
「ええ――優秀過ぎるほど優秀ですよ」と、昴さんは言う。
じゃあ、もしも優秀なバーボンがメアリーが幼児化したという事実を知ってしまったら、どうするつもりなんだろう……。
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まつり(プロフ) - 彩香さん» ありがとうございます!あれもこれも書きたくてなかなか完結しないのですが、のんびり読んでいただけると嬉しいです。 (12月11日 21時) (レス) id: 91a8359b9e (このIDを非表示/違反報告)
彩香(プロフ) - いつも楽しく拝見させていただいています!大変だと思いますがご自身のペースで続けて欲しいです!まつりさんの作るシーリーズ大好きです!!これからも頑張って下さい!応援しております。 (12月11日 18時) (レス) @page1 id: 933da0752b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まつり | 作成日時:2023年6月15日 16時