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211グラム ページ22

「だったら君の付き添いというていで。
 多少不自然でも、メアリーがなんとかしてくれる」

とはいえ、君を巻き込むのは不本意だ。繋いでくれれば後は俺が何とかする、と付け加えた。

でも、メアリーのことを探っているのは零の可能性が高いんだよね?
だとしたら、私は安全なんじゃないの?
零が私に危害を加えるなんて思えない。

それとも、そんな簡単な話じゃないんだろうか。

私は結局、組織のことは何も知らない。

「だったら一緒に食べてから行きましょう?」

私は準備してもらった食事を二人分並べながら話を続ける。

「メアリーを匿うならどこかのホテルがいいかしら、それとも工藤邸? マスミならここに呼んでもいいわ。その代わり赤井秀一の痕跡は全部消しておいてね――沖矢昴さん」

マスミ1人なら毛利邸でも良さそうだけど、コナン君のことを嗅ぎまわっちゃうと困るよね。

感情を入れずに頭を回さないと泣いてしまいそうだ。
私の生活から、赤井秀一の痕跡なんて消したくはない。

でも、既に私の目の前に居るのは沖矢昴だし。
いい加減駄々をこねるのをやめて、先に進むしか道はなさそうだ。

食器を片付け今日の荷物を整えた。「昴さん、どの車で行く?」と声をかけたら不意に手を引っ張られて腕の中に抱き寄せられた。

「無理しなくていい。君が【赤井秀一】にこだわってくれていることを、俺はとても好ましく思っている」

なんていうから、胸がきゅんとする。
そうだよね。一日の大半別人で居なければいけないし、実の妹にも生存を伝えられなくて、一番つらいのはシュウだよね。

「だったら早く、私が無理しなくていい世界に連れて行って?
 それまで頑張る」

組織を壊滅できればきっと、赤井秀一は生き返るはず。
降谷零だって、彼の日常が取り戻せるはず。

私は、変装なんてしていない、彼の手の甲にキスをした。

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まつり(プロフ) - 彩香さん» ありがとうございます!あれもこれも書きたくてなかなか完結しないのですが、のんびり読んでいただけると嬉しいです。 (12月11日 21時) (レス) id: 91a8359b9e (このIDを非表示/違反報告)
彩香(プロフ) - いつも楽しく拝見させていただいています!大変だと思いますがご自身のペースで続けて欲しいです!まつりさんの作るシーリーズ大好きです!!これからも頑張って下さい!応援しております。 (12月11日 18時) (レス) @page1 id: 933da0752b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まつり | 作成日時:2023年6月15日 16時

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