検索窓
今日:51 hit、昨日:35 hit、合計:23,898 hit

191グラム ページ2

「もうさぁ、何もかもカードを見せ合うべきだよ。
 そうしよう?
 後半年で終わらせるんでしょ?

 零は何をどこまで知ってるの? どうなったら私たちはハッピーエンドに向かうわけ?」

孤独な零をこれ以上一人にしたくない。
公安の中に組織の手先かあるいは零の裏切り者が居るなんて。

心配で放っておけないのに、零は何も教えてくれない。

「……A、俺たちはとっくに付き合っていてハッピーエンドを迎えていたと思ったんだが違うのか?」

シュウが余計なことを言う。

「そうだよ。指輪だって買っているし付き合っている届け出だって出した。
 君が組織に巻き込まれさえしなければ、僕はそれでいい」

「だめ。それじゃシュウが元の姿に戻れない」

「赤井はシンデレラって柄でもなさそうだが?」

シンデレラのイメージで言ったわけじゃないのに、零が若干面白そうに笑った。
とりあえず今すぐ家を出ていくのはやめてくれたみたい。

歯磨きしてソファに移動した方がいい。君は眠そうだ、と零が言った。
そうだね、シュウの煙草の量もえぐいことになってるし、移動した方がいいと私も思う。

私はダイニングを抜け出して歯磨きし、夜の寝支度を整えた。
時刻は22時くらい。自宅で話せるのって移動時間を気にしなくていいからとても楽だ。

「零だって今のままじゃ、ずっとポアロの安室さんじゃん」

「別にいいだろう? 彼は人気者だ。Aくらいだよ、安室透より降谷零の方がいいって言うのは」

ありがとう、と、頭を撫でてくれる。

ソファの上に座ったつもりがいつの間にか零の膝の上に座っているなんて言うのはもういつものことだった。

眠ったら布団に連れて行ってあげる、ややこしい話に巻き込んですまない、と零は言う。

「本当に7時までは家から出ないでね。約束して?」

そうじゃなければ私と手錠で手をつないでとせがむと、それだと朝食が作れない、と零が笑う。

「わかった、約束する。午前7時まではここから出ないよ。
 ソフトの件は誰がやったのか確認する。風見が手放したその先で起きたことだろう。

 君と僕との関係を知らない人と考えた方が良さそうだ」

ほらもう、他のこと考えてる。

192グラム→←不意打ち(190グラム)



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (46 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
141人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

まつり(プロフ) - 彩香さん» ありがとうございます!あれもこれも書きたくてなかなか完結しないのですが、のんびり読んでいただけると嬉しいです。 (12月11日 21時) (レス) id: 91a8359b9e (このIDを非表示/違反報告)
彩香(プロフ) - いつも楽しく拝見させていただいています!大変だと思いますがご自身のペースで続けて欲しいです!まつりさんの作るシーリーズ大好きです!!これからも頑張って下さい!応援しております。 (12月11日 18時) (レス) @page1 id: 933da0752b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まつり | 作成日時:2023年6月15日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。