ボディガードは不要です1【安室透】【沖矢昴】 (ページ24)

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合コン1 ページ24

一番忙しいゼミを選んで、研究に没頭する！

まさにその通りにしてみたら、本当に面倒な――いや、充実した研究に付き合わされることになった。

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「江戸川さん、お願い――！」

GWのことなんてすっかり忘れてしまった5月の終わり。
私は大学の学食で、同級生の女の子たち三人に拝まれていた。

「いや、だからね――。顔を上げてくれる？」

5月の半ばあたりから、急にうちの研究室に現れた、院生の沖矢昴さんをどうしても合コンに誘ってほしいっていうのが彼女たちの主張なんだけど――。

「沖矢先輩、そういうの興味ないんじゃないかな？」

気づけば研究室に居て、いつも実験に取り組んでいる。
ゼミの先生に頼まれたので、私は沖矢先輩の手伝いもしているけれど、実際のところちょっと頭が良すぎて本当に役に立っているのかどうかわからない。

でも、数式に頭を悩ませていると教えてくれることもある。

「いつもありがとうございます」って缶コーヒーを奢ってくれたこともあったっけ。

私も講義がある時間を除いては、頻繁に研究室に顔を出しているから、すっかり顔なじみにはなったけど。
でもそれだけだよ？

ものすごく人当たりの良い笑みを浮かべているけれど、べつにものすごく優しいとか人に興味がある風にはとても見えない。

時折、俺には声をかけるな――っていうオーラをひしひしと感じるのは私だけ？

「お願い。沖矢さんが来てくれるなら、江戸川さんの大好きなお店を選ぶし、好きなだけ飲んでいいから！全部奢る！」

――しかし、彼女たちは私が美味しいお酒が大好きってことをよく知っている。

「一応声だけかけてみるけど――、だめって言われたらあきらめてよ？二度目は自分たちで頼んでみて？」

断り切れずに私は、今日もしも沖矢先輩が来て居たら一応一度だけ声だけかけてみることにしたのだった。