phone number1 ページ21
コナン君たちと花見を楽しみ、結局安室さんは現れなかったその翌日。
私は自分の部屋で目を覚ました。
コナン君が残してくれたメモによると、途中で具合が悪くなった私を、蘭ちゃんと毛利探偵がタクシーで家まで送り届けてくれたみたいなんだけど、残念ながら記憶がない。
私はどうしてもスマホを見ることができなかった。
LINEに安室さんからメッセージが届いているかもしれない。
メールが来て居る可能性だってある。
頭では分かっていた。体調を崩したのかもしれないし、何かのっぴきならない用事ができたのかもしれない。
――でも、もしかしたら当日、彼女ができたのかもしれない――
頭をよぎるのは、クリスマスイブに見た、平原くんと麗香のことだった。
ほんっと、馬鹿みたい。もう絶対に恋なんてしない。
胃が痛いし、心なしか右腕も痛む。
真実を知るのが怖くて、何も見ずに電源ごとスマホを切った。
ケータイショップに出向き、スマホを解約。
新しいスマートフォンを手に入れた。
これで、ポアロに寄らなければもう二度と安室さんのことなんて考えなくてもいいよね。
あんなに素敵で人気な人なんだから、きっとすぐに新しい恋をするだろう。
それに、実はもう新しい恋をしているのかもしれない。
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作者名:まつり | 作成日時:2022年5月26日 8時