ボディガードは不要です1【安室透】【沖矢昴】 (ページ11)

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New Year Party7 ページ11

「えー？別にいいじゃん？皆が憧れるイケメンなんでしょ？恋心なんてそのうち湧いてくるかもしれないし。お互いにそういうのなかったら、進展せずに終わっちゃうだけだから別にいいでしょ？」

華絵は本気できょとんとしていた。

「で、私はお先に――」

逃げようとする華絵を捕まえる。

「だめ、こうなったら華絵も安室さんに合って帰って。
　なんなら華絵と恋に落ちればいいじゃん」

「いや、私明日には地元に帰るので。遠距離とか無理よ？」

華絵はしれっという。
全くもう――

私は帰り支度を整えるべく、立ち上がろうとしてため息をついた。

「やだ、靴のヒール折れてる……」

ほんっと、新年早々散々としか言いようがない。

「ちょっと、売店で靴買ってこようか？」

と、病室から出た華絵はものすごい速さで帰ってきた。
花束をもって。バラとカスミソウがメインに、綺麗に包まれた豪華な花束。

「ねえ、この豪華な花束、Aあてじゃない――？」

「今日なんてお花屋さんも空いてなさそうなのに――。
　いや、私がここにいるなんて誰も知らないんじゃないかな。
　部屋を間違えたとか？」

私は首をひねる。

「そうかなあ。こんなに素敵な花を買って部屋を間違えるなんてことある？
　都会の人ってどういう価値感してるのよ――」

そのとき、こんこん、と部屋をノックされた。

「はい――って安室さん？」

気のせいじゃなかったら、電話を切ってから10分も経過していないと思う。

「わ、想像以上のイケメン❤」

華絵は目をハートマークにしていた。

「Aさん――。偶然、近くに居たんです。
　いったいどうしたんですか？」

「あっと……飲みすぎて転んだだけです」

「ほんっと、嘘ばっかり。撃たれたんですよ、A」

――やっぱり、華絵には帰ってもらえばよかった。ほら、安室さんが心配そうに顔を曇らせる。

「かすっただけです。全然、どうってことないから――」

本当、申し訳ないのでそういう『心配で心配でたまらない』みたいな表情しないでほしい。
安室さんにそういう顔させたのバレたら、ファンの子たちに怒られるから、ね？

「靴が壊れてて調達に行かないとと思っていて」

「ああ、今日は売店にもないかも。近くで買ってきましょうか？」

「そんな……」私がとめる間もなく、安室さんと華絵は、靴を調達するために病室を後にした。