134グラム ページ44
【ASide】
心地よい振動だなと思って、目が覚めたことに気が付いた。
瞳を開けて前を見ると、鏡越しに昴さんと目が合った。
「少しは落ち着きましたか？――ノックリストと零の女性の話ならボウヤから聞きました。あれからこっちに戻ってきてくれたので――。大変でしたね」
昴さんの口調と声で話すのは、私の気持ちを落ち着けるためかもしれない。
「あ……。驚いて、その。取り乱してごめんなさい」
私が落ち着いて伝えれば済む話だったのに。
「謝る必要はありません。心配はしているが怒ってはいない。
どこか痛む？」
すぐに、沖矢昴じゃなくなるの、本当に面白い。
「ううん、今は平気。しっかり眠ったし、元気だよ」
「あれからまだ1時間も経ってない。
ボウヤはFBIのメンバーと合流させた。詳しい話を聞いているはずだ。
それから」と、シュウは私に言葉を挟ませる間を開けずに続ける。
「降谷君がどこにいるか、手早く知る方法はある？ なければこちらで探らせる。緊急を要する話だ。風見君も動かせるから心配は――」
そっか、さすがにシュウは私にはGPSを仕込むことはあっても、零に対してはGPSを仕込んだりしないよね。
そんなことしたら、零は気づくし怒るだろうし、逆にシュウにGPSを仕掛け返すだろうし――お互い様ですごく面倒なことに発展しそうだもん。
「いつもわかるわけじゃなくて、零次第なの。ちょっと待って。もしも零が今、スマホの電源を入れているなら――。あ、うん。わかる」
私は自分の鞄からスマホを取り出して、ごく一般的に流通している見守り用のアプリを開いた。ちゃんと零の同意を得て入れているので、知られたくない場合彼は電源をオフにしてやりすごしていた。
普通の男女ならその時間に浮気でもしているのでは――？と口論の火種になりそうだけど、公安勤務の上に悪い組織に潜入捜査中なんだから仕方ない。
つまり、この4年の間ずっと零が私と微妙な距離を取り続けていた理由の1つでもあるもんね。
そんなわけで、一応入れてはいるものの私はこのアプリを見ることはほぼない。
もちろん、彼が電源を入れて私のオンにしている間は、向こうからも私の動きはわかる。でも、零だってそんなに活用してないんじゃないかな――。
そのための赤井秀一、くらいには思ってそうだ。
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まつり(プロフ) - ユーキさん» コメントありがとうございます。そうなんですよ。赤井さん滅多なことでは嫉妬しなさそうなのでシチュエーション作るのに手間がかかりました(笑)更新頑張ります！もちろん、読んでいるあなたが夢主ちゃんですよー！ (2023年4月21日 11時) (
レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
ユーキ - 最高です！赤井さんが嫉妬するとかヤバい！夢主ちゃんになりたいよぉ！更新楽しみにしてます！応援してます (2023年4月21日 11時) (レス) @page20 id: 7dd99af247 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まつり
| 作成日時：2023年3月30日 11時
