目が覚めたら私の恋人は赤井秀一でした3【名探偵コナン】 (ページ38)

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ペリドットの秘密11 ページ38

「これ、どうしたらいいかな……」

私はテーブルに置いたペリドットに視線を落とした。

「私、この宝石大好きだけどもらうわけにはいかないよね？」

「ペリドットがお好きなんですね」

「だって、秀一の瞳と同じ色だもん」思わず口にした後で不安が募ったので彼を見上げて聞いてみた。

「――気を悪くした？」

はぁ、と、昴さんがため息をつく。

「悪くするわけないじゃないですか。喜んでますよ。
　あと、いつでもどこでも簡単に私を煽るの辞めてもらえますか？」

「私、全然、全くちっとも煽ってないよ？言っとくけど、今まで一回だって煽ったことないよ？」

誤解です。

「無自覚なのが余計にたちが悪い」

耳元で色っぽくささやかれる声に、心臓がドキッと跳ねる。

「違う……。絶対に昴さんの勘違いだからね？」

――逃げ出したいのに。身をよじっても腕の中からすり抜けることができない。
　これこそ、昴さん無自覚で力を加減してるよね？あなたが秀一でいてくれる間は、私、割と自由に腕の中から抜け出せるんだけどな――

「――今夜はそういうことにしておいてあげます」

どうにかして逃げ出そうと格闘する私を見て、彼は諦めて手を離してくれた。私はむっと唇を尖らせる。

「宝石は、ボウヤから鈴木美術館に返却してもらいましょう」

「いいの？小学生にそんな大役」

「Aさんや私から返却して、質問攻めにあうより、キッドキラーの手元にキッドが返した流れにした方がずっと自然だと思いますよ」

そして、実際その通りだった。
翌日、コナン君経由でペリドットを返却した後は、それ以上この件について言及されることはなかった。