目が覚めたら私の恋人は赤井秀一でした3【名探偵コナン】 (ページ23)

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home bitter home1 ページ23

切り取られた小さな記事――。

ここに何が書かれていたのだろう。
しかし、何年も前の地方紙に書かれた小さな記事にまで目を通すなんて。

私は好奇心に駆られ新聞をめくる。

切り抜かれた記事からさかのぼること数日前、一家3名行方不明との記事を見つけた。

両親と一人娘が忽然と消えて一週間。警察は一向にその足取りを追えない旨が端的に書かれている。

父親はエンターテイメント系の事業を経営、売り上げも決して悪くはなく、周囲は上手くいていると思っていたのに、なぜ――？

この時点では一家の名前さえ出ていないが、年齢が記載されていた。

日本における失踪者数は年間約8万人。
とても、全国ニュースには載らない話――

間違いなく、私の両親と双子の姉のことだ。私は出生届を出されていないため、家族にカウントされることもない。

昴さん、よくここまでたどり着いたわね。

私は素直に感心する。便宜上または生物学上の『私の両親』はこの新聞が発行された地方都市に住んでいたが、私は祖母と共に東京で暮らしていた。言葉は祖母との会話あるいは、ドラマや映画から覚えた。だから、両親が住んでいた地方の方言なんて使っていないつもりだったけれど。

イントネーション？
　
でも、趣味で読んでいる本は全て洋書。
ふとした時につぶやく言葉も英語。
そんな昴さんが、そこまで日本語に詳しいとは思えないんだよね。

――どこからあたりを付けたんだろう。それとも、全ての地方紙を片っ端から読み込んでいたのかしら。

そんなことに想いを馳せながら、しばらく書庫で待っていると、昴さんが戻ってきて待っていたことを褒めてくれた。