37グラム ページ42
毛利探偵はわざわざレンタカーを借りて迎えに来てくれていた。
やむなく、マンションの駐車場で待ってもらって、着替えを詰めて毛利邸に向かう。
「英理から聞いてはいましたが、本当に有能なんですね」と毛利探偵が言う。
「いえいえ、有能な人だけが出世できるというわけでもないですし」
「あ、でも明日、園子のご両親に会うんでしょう？」
「いや、私が会うのは鈴木財閥の担当者って……！」
「え？ だって、園子のご両親がそれほど娘が推す大学院生に会えるの楽しみにしてるって言ってたって聞いたけどー？
京極さん気の毒すぎるからやめればいいのに……とは言ったんだけどね」
―ーもはや、仕事関係ないじゃん。
そして、絶対にその席に沖矢昴が必要であることを悟った。
毛利邸についた私は、隙を見てシュウに電話する。
「悪い。今夜はとても帰れそうにない」
「ううん、無事ならそれでいいわ。私、今日は毛利邸だから安心して？ それよりも、明日、やっぱり昴さんが必要なんだけど、キッド君に頼んでもいい？」
私は蘭ちゃんの言葉をかいつまんで説明する。
「いいよ。彼には俺から連絡しておく。
数日帰れないかもしれないけど、絶対に戻るから何があっても心配せずに待っていて。電話もしばらくつながらないかもしれないが―― Belive me.(俺を信じて)」
「わかった。信じて待ってるね」
私は電話を切って深呼吸する。
毛利邸では、週末の飛行船の話でもちきりだった。
「Aさんも一緒に行こうよー！明日園子に言っとくから！」と、蘭ちゃんはノリノリだ。
一方、高いところが苦手という毛利探偵は
「いやいや、大阪に行くなら新幹線の方がどれほど安全でいいことか――」と力説しはじめた。
大阪か。そういえばしばらく平次君に会っていない。
「大阪だったら、平次君たち待ってるんじゃない？」とコナン君に言えば
「あ――、Aさんが一緒と言えば、確かに平次……にーちゃんも喜ぶね！ボク、伝えておく！」とにっこり笑った。
.
翌日の午後。
私はすっかり沖矢昴になり切ったキッド君と軽く打ち合わせた後、鈴木財閥の所有するビルへと足を運んだ。
次郎吉さんまで同席していてびっくりする。
「本日はお時間いただき誠にありがとうございます。ご多忙の折申し訳ございません」と、昴さん扮するキッド君が切り出す。私が期待した以上に、パーフェクトな対応をしてくれて、とても助かった。
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まつり(プロフ) - いちごさん» ありがとうございます！前回のキッドの時とはまた違うパターンでってイメージでしょうか。承りました。 (2023年1月30日 6時) (
レス) id: 6a01f04095 (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - 続編おめでとうございます、！この話大好きすぎてやばいです。リクエストは、ヒロインが赤井さんと降谷さん以外の男性と親しげに話していてそれにすごーく嫉妬で狂う姿が見たいです、、！ (2023年1月30日 2時) (レス) @page11 id: d7cfe12389 (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - 星良さん» こちらこそ、応援ありがとうございます。リクエストありがとうございますー！いいですね。私も見たい！是非書きたいと思います✨ありがとうございます。 (2023年1月29日 17時) (レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
星良(プロフ) - 続編おめでとうございます！！ 今回も楽しく読ませていただいています✊ リクエストなのですが、、、蘇芳ちゃんが嫉妬？しているところがみたいです💦 (2023年1月29日 17時) (レス) id: 4e794d85df (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - やっちさん» やっちさん、こちらこそ、続きまで読んでもらってありがとうございますー！引き続き、よろしくお願いします。 (2023年1月28日 20時) (レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まつり
| 作成日時：2023年1月28日 15時
