24グラム☆ ページ28
「俺にはなんでも話をしてくれるって約束、もう忘れた？」
耳朶に吐息が触れる距離で、言葉を紡ぐから、ビクッと体が揺れた。いつもよりずっと色気を帯びたシュウの低い声が耳に響く。
「もちろん、覚えてるしできるだけ話すようにしてる、よ？会社でだっていっぱい頼ってるでしょ？」
基本一人で仕事を抱えがちだけど、昴さんには頼るようにしている。
「それでも、
「ちょっとしたお酒の上での女子トークでしょ？」
由美さんの彼氏がシュウの弟だと知ってたらそんな話しなかった！
いやでも、由美さんそんな話を彼氏にするかな？由美さん、そんなに口軽くないと思うんだけどな……。
シュウは至る所にキスを落とすと同時に、指先が服の上から私の弱いところに触れていく。せっかく可愛い秋の装いが、徐々に乱されていく。
「女子トークって、何？」
戻ってきた零は椅子の下にひざまづいて、私のスカートの中に潜り込もうとする。
「や、だ。ちょっとここじゃやだ！寝室！！っていうか、その前にシャワー！」
「なるほど、立ちバックが嫌なんじゃなくて、玄関先が嫌だったのか」とか、ほんっと余計なこと言わなくていいから。わざとだよね、零？
「知ってるか、降谷くん。俺たちの恋人は欲求不満らしい」
「ちょ、余計な情報を共有しないで！違うの。零は職場で全然私と話してくれないから淋しかっただけだし、シュウは退院して以降、全然触れてくれないから不安だっただけだし。ふと考えたらもう半年も付き合ってて、そんなに長く誰かと付き合ったことないから、もしかしたら倦怠期？って思ったりしたからつい飲みの席で愚痴ってみただけじゃん！」
いけない人たちに誤解されたまま翻弄されて言葉が紡げなくなる前にと一気にまくしたてる。
「なるほどね」と目を細めるところを見ると、やっぱり由美さんが口にしたのはもっとフワッとした断片程度の情報で、それと最近の私の態度からシュウが推理して私にヤマをかけたに違いなくて――。
騙された、と不服を申し立てる前に煙草の味がするキスが降ってきて私の欲を呼び覚ましていく。
「思ったより怪我の治りが良くなくて。包帯が取れないだけだ。君はまた、そんな姿を見たら泣くだろう？――だから」
そもそも、本当は四六時中君に触れていたい――知っているものとばかり、なんて、ものすごくいい声で囁くようなことではない、と思う。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 287人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「名探偵コナン」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まつり(プロフ) - いちごさん» ありがとうございます！前回のキッドの時とはまた違うパターンでってイメージでしょうか。承りました。 (2023年1月30日 6時) (
レス) id: 6a01f04095 (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - 続編おめでとうございます、！この話大好きすぎてやばいです。リクエストは、ヒロインが赤井さんと降谷さん以外の男性と親しげに話していてそれにすごーく嫉妬で狂う姿が見たいです、、！ (2023年1月30日 2時) (レス) @page11 id: d7cfe12389 (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - 星良さん» こちらこそ、応援ありがとうございます。リクエストありがとうございますー！いいですね。私も見たい！是非書きたいと思います✨ありがとうございます。 (2023年1月29日 17時) (レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
星良(プロフ) - 続編おめでとうございます！！ 今回も楽しく読ませていただいています✊ リクエストなのですが、、、蘇芳ちゃんが嫉妬？しているところがみたいです💦 (2023年1月29日 17時) (レス) id: 4e794d85df (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - やっちさん» やっちさん、こちらこそ、続きまで読んでもらってありがとうございますー！引き続き、よろしくお願いします。 (2023年1月28日 20時) (レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まつり
| 作成日時：2023年1月28日 15時
