15グラム ページ18
「お嬢さん方、お店の前で素敵な男性にいつまでも立たれていても困るので、今日はそろそろお開きにしませんか？」と、マスターがお水を持ってきて声をかけてくれた。
「え、うっそ？ そんなに待ってる？」と聞けば
「いいえ、金髪の彼なら、まだ5分かそこらです。今日はお一人みたいですよ」と、私にだけ聞こえるように囁いてにっこり微笑んでくれるので、本当にできたマスターだよね。
実はこの店には、シュウと零と一緒に3人で飲みに来たことも何度かある。私がウイスキーが弱いくせに適当にカクテルを頼む悪癖があるのもよく知っているので、何を頼んでもウイスキー以外のものを使って美味しいカクテルに仕立ててくれるところも信頼がおけた。
このロマンスグレーのマスターが私と零とシュウのことをどういう関係だととらえているのかは全く分からないけれど。それほど深い話をする日は、多分きっと来ないから平気だろう。
「あら、残念。また一緒に飲みに行こうねー！誘うから！」と言っている由美さんに手を振って店を後にする。
そんなわけで、ユカちゃんと彼氏が帰って行くのを見届けつつ、私も誘われるまま零のRX-7に乗り込んだ。
「零、忙しいのにごめん。ユカちゃん酔ってて適当なことを言っただけだから――」
「そんなことないだろう。電話をくれて良かった。
君が淋しいって素直に言えないことをすっかり忘れてた。
――君に声をかけないのは、あまりにも優秀で信頼しきっていたからで――本当に悪かった。Aのことを褒めるべきだった」
「――は？」
私は慌てて運転中の零の横顔に視線をやるが、特に冗談を言っているようには見えなかった。
すごく真剣な顔しておかしなこと言い出すの、やめてくれるかな。
「いやいや、あんなぴりぴりした雰囲気のところで、突然私だけ場違いに褒められてもすごく困るので、いいです。これまで通り、普通に仕事して？」
うん、ごめん。
私の方こそ職場に恋愛感情を勝手に持ち込んですみませんでした。
そうだよね、あれほど真面目な零に他意があるはずなんてない。
自分が伝えた指示がきちんと伝わればそれでよくて、それが上手く伝わらない相手をピックアップして声をかけてただけ――。
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まつり(プロフ) - いちごさん» ありがとうございます！前回のキッドの時とはまた違うパターンでってイメージでしょうか。承りました。 (2023年1月30日 6時) (
レス) id: 6a01f04095 (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - 続編おめでとうございます、！この話大好きすぎてやばいです。リクエストは、ヒロインが赤井さんと降谷さん以外の男性と親しげに話していてそれにすごーく嫉妬で狂う姿が見たいです、、！ (2023年1月30日 2時) (レス) @page11 id: d7cfe12389 (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - 星良さん» こちらこそ、応援ありがとうございます。リクエストありがとうございますー！いいですね。私も見たい！是非書きたいと思います✨ありがとうございます。 (2023年1月29日 17時) (レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
星良(プロフ) - 続編おめでとうございます！！ 今回も楽しく読ませていただいています✊ リクエストなのですが、、、蘇芳ちゃんが嫉妬？しているところがみたいです💦 (2023年1月29日 17時) (レス) id: 4e794d85df (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - やっちさん» やっちさん、こちらこそ、続きまで読んでもらってありがとうございますー！引き続き、よろしくお願いします。 (2023年1月28日 20時) (レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まつり
| 作成日時：2023年1月28日 15時
