恋人の愛はちょっと重たい1【名探偵コナン/愛され/逆ハー】

20グラム ページ24

「君が公安(うち)で働けるって既成事実を作れば、戸籍を理由に反対されることも無くなるし、いいチャンスだと思って――。

　張り切りすぎたかな？

　それで君を不安がらせたら本末転倒だったね」と、零が自嘲気味に言う。

「不安になったわけじゃないよ？」

「そう？ 僕は君が他の誰かと何かしているのを見かけるたびに不安になるけど」

「――他の誰かと、何もしてないよ？」

「本当に自分のことには自覚がないんだから」

え？ 私は首を傾げる。

そのとき、ラインの着信音が鳴った。

「ね、シュウが美味しいワイン手に入れたから一緒に飲まない？ それとも、今夜は帰らないつもり？ って連絡きたけど、なんて答えたらいい？」

「19時には君の家に戻るって打っておいて。ワインの写真を送ってくれたら、ついでに合うものを見繕うとも」

「え？ ここから19時に帰るって……？ 無理なんじゃ……！ ちょっと、零！！」

はぁ。瞳を輝かせてアクセル踏み込み始めた……。
私は舌を噛まないように口を閉じて、タイミングを見計らって最低限のメッセージをシュウに送る。

確かに美味しそうな赤ワインの写真と共に、「Drive slow.Arrive Alive.(ゆっくり運転して。無事に戻っておいで)」ってメッセージが戻ってきたけど、これはきっと、絶対に零が飛ばすことを見込んだうえで入力してるよね……。

車酔いが不安になった私は、目を閉じてやりすごすことにした。

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