キャンプの付き添い3 ページ1
キャンプ場に戻ったら、子供たちの姿が見当たらない。
コナン君に聞いてみれば「やっべ……。スマホの充電切れている」と言い出す始末だ。
私のスマホで哀ちゃんに電話してみたけれど、つながらない。
私とコナン君とマスミでキャンプ場を探してみたら、警察を見かけた。傍に駆けよれば、女性の遺体が埋められていて――。
よくまあ、マスミとコナン君は近づけるものね。
私は直視できないし、近づくことすら困難だった。
コナン君たちが話を聞いたことによると、どうやら通報したのは哀ちゃんのようだった。
私は何度も哀ちゃんに電話をかけてみるがつながらない。
「圏外なんじゃないかな? Aのスマホの電池が切れるよ?」とマスミが言うので、ため息をついてスマホをカバンにしまう。
――どこに消えたんだろう、子供たち……。
そこに、コナン君とも顔見知りという群馬県警の山村警部がやってきた。
「この辺りは入り組んでいるからすぐに見つかるかどうか……」なんて言い出すからゾッとする。
マスミとコナン君は遺体の様子を見て――どころか触って――推理を始めた。
――あんなのが触れるなんて本当に信じられない。
どうしよう。私はスマホを見てため息をつく。
でも、こんなことでシュウや零に連絡したら、より一層心配をかけてしまう。下手したら休日の外出すら禁じられてしまいそうで、不安だ。
っていうか、マスミとコナン君と山村警部。
なんで子どもたちを探さずに、遺体の推理に夢中になっているのか全く分からないんだけど。どういうこと?
――探偵怖い。
スマホが鳴ってドキッとした。
蘭ちゃんからだ。
「もしもし、蘭ちゃん?」
「あ、ごめんなさい、Aさん。え? 世良ちゃんにかけるつもりが間違えちゃった」
「ううん、いいの。今日は何しているの?」
「コナン君たちキャンプに行ったから、さっきお父さんとポアロでランチして、その後は園子と買い物に――。そういえば、さっき、ポアロに安室さん居たよ? なんか久しぶりだよね、Aさんも今、ポアロだったりして」
蘭ちゃんの無邪気な声に私は、一瞬うろたえた。
あれ?私がコナン君とキャンプに来ているの、知らないのかしら?
「あ……えっと。今日はちょっと別々なんだ」
「そっかー。間違え電話しちゃってごめんね、またね」
園子ちゃんが蘭ちゃんを呼ぶ声がして、電話が切れた。
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作者名:まつり | 作成日時:2022年11月25日 12時