Who are you？8 ページ2
「やっぱり悪い大人じゃん！」
「それは言いがかりだ。そもそもハイティーンにもなれば子供扱いなんてされても嬉しくなどないだろう？ 君にも心当たりはあるんじゃないか？」
確かに高校生ともなれば、自分のことは大人だと信じ込んでいるし、大抵のことは大人並みにできる。
それゆえに危うくもあるのだが。
まあ、これこそキッドとシュウとの関係で、きっかけを与えたとはいえもはや第三者である私が口を挟むことでもなさそうだ。
キッド君は社会的には大怪盗だもんね。大人扱いしてあげて差し支えないだろう。
シュウから、ほら、身体が冷える前にこっちにおいでと誘われるまま、彼の膝に抱きあげられたタイミングで、もはやどうでもよくなって話題を変えてしまった。
「そういえば、蘭ちゃんたちも無事に帰国したって！次の土曜日、新一君とののろけ話を聞きに蘭ちゃんの家に遊びに行くんだー！コナン君も帰ってきたみたいで安心ね」
「君の方こそいまだにハイティーン気分……いやいや。ああ、俺も阿笠博士が家に帰るところを見かけた。相変わらず元気そうで何よりだ」とシュウは笑う。
私はハイティーン気分ではない。……と思っているんだけど。え？ 私はあくまでもお姉さんの立場で蘭ちゃんの話を聞いているだけだよ？
もしや、シュウの目から見たら、キッドも蘭ちゃんも私も同じ枠なんだろうか。
そうだとしたらだいぶ不服だ。
「そういえば、私、哀ちゃんの前では阿笠博士が不健康なことを心配し続けないといけないわね」
「心配しなくともしばらくすれば、病院で再検査を受けた結果極めて体調は良好であの薬は必要なくなったってきっとあっちから言ってくるだろう。秘密は少ない方が楽だからな」と笑う。
「なにそれ、私よりもずっと哀ちゃんの方がしっかりしてると思っているでしょう？」
「そんなことはない。どちらも同じくらい危なっかしいさ。俺に言わせれば」と、全くもってフォローにもなっていない言葉が返ってきたのだった。
――まさか、高校生のみならず、哀ちゃんとまで同じ枠だった。
いや、哀ちゃんは実際には小学生じゃなくてもっと大人なんだっけ？
「哀ちゃんって、10代なんだよね？」
「誤差はあるが、工藤新一とそうは変わらん」
「あのね、私は子供じゃないよ？」
「知ってる。いくらなんでもハイティーンは恋愛対象にはならないな」君が大人で良かったと、シュウが笑うから、結局それまでの話はなんだかどうでもよくなってしまう。
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作者名：まつり
| 作成日時：2022年11月8日 10時
