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カラオケボックス1 ページ21

どうしても他の人に話を聞かれたくないからと、マスミが選んだのは、カラオケボックスだった。

運ばれたドリンクを一口飲んで、マスミが口を開く。

「あのさ……。本当に変なことを聞くんだけど、世の中に飲んだら人が縮む薬ってあると思う……?」

そう言う話は、できたら兄妹でしてもらえないかしら……。
と、思うが生憎兄の方は亡くなっていることになっているので、紹介もできない。

それに、マスミの言葉が例の組織と絡んでいると安易に予想していいとも限らなかった。

もしかしたらそんな謎のドラッグが秘密裏に流通しているのかもしれないし。

「ち……縮む?それって、飲むと骨が歪むとかって話? それとも、乾燥機に入れたセーターみたいなイメージかな?」

一応、イメージのすり合わせをしておかなければ。

「縮む=幼児化」だけとは限らない。決めつけるのは良くないよね。

「ううん、言い方がまずかったかも。
 そうだな、若返りの薬っていうか。それを飲むと、年が若くなるっていう方がしっくりくるかも。

 大人が飲んだら、子供になる――そういう薬」

「そういうのあったら、ものすごい話題になりそうだけど、聞いたことないわ」

少なくとも表立っては。

「いや、逆に話題にしちゃまずいだろう。だからこう――悪の組織的なところが秘密裏に使ってるだけっていうか――。いやなんかそこまでくると、ちょっとSF映画の世界だな、うん」

「だよね、アニメとか漫画の世界ならともかく」

うふふと笑ってみせる。

悪の組織……かー……。脳内を黒い服のイメージがちらついていく。

「だよなー……。忘れて。どう考えてもフィクションだよな。
 そういえば、コナン君とはどうして仲がいいんだ?」

「ポアロで何度か食事しているうちに顔見知りになったの。でも、よく話すようになったのは割と最近かな?だから、まだあんまり仲がいいとは言えないかなぁ」

「へえ、そうなんだ。家に泊まってるくらいだからよほど親交が深いのかと思ってた」

「仲良くなったのは割と最近なの。そういえば、マスミは1人でこっちに?メアリーはロンドンで仕事なんだよね?」

それとも、MI6も組織絡みで秘密裏に日本で調査を行っているんだろうか。

「あ……っ。うん、ロンドンで元気にしているよ、相変わらず。ボクが日本の高校が居心地よくてさ、しばらくこっちにいたいと思ってるんだ」

「そっか」

世良家(赤井家)の子どもたちって独立するのがやたら早いのね……。血筋?

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作者名:まつり | 作成日時:2022年11月8日 10時

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