ロンドンのお土産話6 ページ14
それに、零が私に話してくれたことが全てかどうかもさだかじゃないし。
そもそもどうして、コナン君はどうしてそのことを突然私に切り出してきたんだろう。
そこがわからないのに、迂闊なことが切り出せるわけもなかった。
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「正式名称は知らないんだ。ただ、所属している幹部の多くが黒の服を身につけているから俗称というか通称というか……」
そういえば、零もそれが通称って言ってたっけ。
でも、服の色が黒いからとは聞いていなかった――気がする。
『だから入籍できない――』っていうのが、理由だったよね。
でも、私もたいがい黒い服が好きだけど、ね……。だって汚れが目立たないし。色の組み合わせ考えなくていいから楽なんだもん。
だから、零もシュウもカラフルな服ばかり買ってくれるんだろうか。
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そういえば、シュウもだいたい黒い服を着てたけど……。あれは何か意味があったの?
シュウは組織をとっくに抜けてたんだよね?
いや、私と同じく黒い服が好きなだけなんだと思いたい。黒を好むのは、シュウと私の共通点の1つだと思ってたのに、組織の色とか言われたらちょっとショック。
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「残念だけど、コナン君が求めている情報を私は持っていないと思うわ。
黒の組織かー。益々危険な香りがするわね。ま、わかったところでどうにもできないでしょ? 私がそんなあからさまに力のありそうな人のところに乗り込んで、赤井さんの復讐をするってわけにもいかないし」
「――そう、だよね――」
「ま、これからは黒服の人には気を付けて距離を取っておくことにするわ。他に何か聞いておきたいことはある?」
「いや……」
「そうなんだ。コナン君はてっきり蘭ねーちゃんのことが聞きたいんだと思ってた。本当は一緒に話に混ざりたかったんじゃないの?
一途でかわいくて素敵な子で、新一君が羨ましい」
「ふ……っ ふーん……」
コナン君は視線を逸らす。
「ごめんごめん。コナン君が嫉妬しちゃうような話しちゃったわね。明日平次君がくるなら、そろそろ休まないと。朝早そうだし。
良かったら、一緒に寝る?私、この間哀ちゃんと一緒に寝たから平気……」
話が終わる前にコナン君は部屋を飛び出してしまった。
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作者名:まつり | 作成日時:2022年11月8日 10時