call a spade a spade7―third person― ページ39
沖矢はペットボトルの水を一口飲み毒ではないことを確認した後、キッドの言葉に従い、Aの目の前に差し出した。
『万が一にもこれが罠であるであった場合は――怪盗を生かしておくことはないだろうな』と心の奥で決めておくのも忘れない。
Aは素直に水を飲む。
途端に胃がひっくり返るような気持ち悪さを感じ、お手洗いへと駆け込んで胃の中のものを全て吐き出してしまった。
おかげで、自白剤の効果が急速に薄れていく。
水を流して口をゆすぎ、口元をこぶしで拭うAを沖矢はそっと抱き寄せ、廊下へ戻る。
人気のない廊下はがらんとしていた。
Aはうつむいたままだ。
「Aさん」
沖矢はAに掛ける言葉が見つからない。くしゃりと頭を撫でるのが精一杯だ。
「ありがとう、昴さん。
私なら大丈夫――。
でも、どうしよう。園子さんに、私、余計なことを話したかも」
Aの顔が不安に曇り、今にも崩れ落ちていきそうだ。
『しかし、そろそろ本気でボウヤを探さなければ――。』
そう思い、腕時計に目をやれば、時刻は17時(予告時間)を過ぎている。
沖矢はコナンに電話をかけてみたが、相変わらずコナンからの応答はなかった。
call a spade a spade8―third person―→←call a spade a spade6―third person―
81人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まつり | 作成日時:2022年5月19日 15時