call a spade a spade5―third person― ページ37
キッドが期待したほどに十分な量を飲んでいなかったらしく、Aがうっすら瞳を開く。
安心した沖矢がくしゃっと髪をなでると、頭を預けてAはふわりと幸せそうな笑みをみせた。
「秀一――。来てくれたんだ、ありがとう。すごく嬉しい。ずっと独りだったけど、それでいいと思ってたけど私秀一に会えて本当に良かったと思ってるの――。だからずっとこれからも、傍に居てほしいと思ってる。本当はね、あなたがゴーストでなくなったとしてもずっと一緒にいたいなって。そんなのムリだってわかってるけどでも。
私はずっとあなたのそばに居たい。そこが安全じゃなくてもいいから――」
いつもよりずっとうつろなまなざしながら、口元に甘い笑みを浮かべ、唇から聞いたこともないような言葉がはらはらと零れ落ち続けるのは、キッドの言うところの『自白剤』のせいなんだろう。
放っておけばとめどなく溢れそうな愛の告白を、沖矢はそっとキスでふさぐ。
――あいつ(キッド)はなんて厄介なものを入手したんだ。
秘密を抱えるものがそこかしこに潜んでいるこの街(米花町)で、これはかなり面倒な代物だ。
沖矢は頭を抱える。
call a spade a spade6―third person―→←call a spade a spade4―third person―
81人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まつり | 作成日時:2022年5月19日 15時