ビッグジュエル7 ページ25
会議室のドアが開いて園子さんが顔を出す。
「ちょっと、ガキンチョ!これから打ち合わせしたいって言ってるわよ?」
「うん、わかった。すぐいく。Aさんも一緒に行こう?」
コナン君が私に手を伸ばす。
園子さんがかぶりを振った。
「あ、Aさんは私と一緒に飲み物でも買いにいかない? キッド様の対策会議なんて私たちには関係ないし。本当は、蘭を誘いたかったんだけど、新一君が放してくれないから」
言いながら園子さんはコナンくんを会議室へと招き入れると扉を閉める。
そこに、昨日も見かけた例の青年スタッフが通りかかった。
「ねえ、あなた!しばらく会議室は立ち入り禁止!大事なミーティング中なんだって」
「わかりました!」
新入社員くんは、びしっと威勢よく返事をした。
「張り紙でもあっておきましょうか?」
「名案ね。よろしく!」
さすが鈴木財閥のお嬢様、と言いたくなるような風格でそういうと園子さんはぎゅっと私の腕をつかんだ。
――え?
人との接触にかなり不慣れな私は動揺が隠せないが、人懐っこい笑みを浮かべる彼女は悪びれる風もない。
「実は私、Aさんとはゆっくりお話ししたかったんだ❤
あっちの自動販売機前に休憩スペースあるから、ね?」
そういって足を進めていく。私は振り切るのも申し訳なくて、流されるように一緒に歩いて行った。
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作者名:まつり | 作成日時:2022年5月19日 15時