ビッグジュエル6 ページ22
「Aさん、平気?」
タイミングよく廊下に出てきたコナン君が、不安そうに私を見上げていた。
私はしゃがみ込んで視線を合わせる。
「ありがとう。私はもうすっかり問題ないわ。
記憶がすっかり戻ってしまって嬉しいかどうかは微妙なところだけど。
君のおかげだね、小さな探偵さん」
「ぼ、僕は何も――」
「良かったらこれからも引き続き仲良くしてくれると嬉しいな」
「もちろん!ああみえてもきっと、灰原だってAさんと仲良くしたいと思っているはずだよ!」
「きっとそうね。
さて、そろそろ仕事に戻らないといけないんじゃない?
きっと君はもう、あの仕掛けを知って何かしら手を打っているのかな?」
「えへへ……。
新一にーちゃんならそうだと思う!」
コナン君はかわいい笑顔を浮かべて、うまく誤魔化した。
「それにしても、怪盗キッドはどうして毎回お宝を返していくんだろうねー。
ただ、騒ぎを起こして知名度を上げたいだけってことはないわよね?」
「何かを探しているんだと思う。
それが何か、まだわからないけれど……」
コナン君の目の色と口調はがらりと変わるので、そのあたりはやはりキッドキラーと言われるゆえんなのかもしれない。
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作者名:まつり | 作成日時:2022年5月19日 15時