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痕跡5―赤井side― ページ17
そこまでの推理はよかったのだが。遅すぎたのか、既に目ぼしいところは掘り返されたあとだという。
彼らは今もどこかで山を掘っていると考えた方がいいのではないか――。
しかし、まだ手がかりが掴めない。
もう少しヒントはないものか。
ふと、スマホが震える。
ボウヤからのメールだ。
書かれていたのはたった一言。
『whiteout』
怪盗(ドロボー)との対決で手いっぱいだろうに、よく気の回るボウヤだ。
短い一文は視界が白くなるという気象用語だが……。この季節、雪山での遭難するなんてあり得る話ではない。この場合はblackout(一時的な記憶喪失)の反語と捉えたほうがよさそうだ。
Aに記憶が戻ったと解釈するのが正解かな?
誰とも接触を断つように深夜の公園で孤独に過ごしていた彼女は、自分の代わりようにさぞ戸惑っているに違いない。
だけど、いくら記憶喪失だったとはいえ、日中に「外に出たい」とせがみ、昼夜逆転生活から抜け出したのも、紛れもなくAの意思だった。
俺は部屋を抜け出し、電話をかける。
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作者名:まつり | 作成日時:2022年5月19日 15時