ビッグジュエル4 ページ12
余裕たっぷりに遅く会場入りしたコナン君とは異なり、警察はとっくに配備を固めていた。
当日券で入った観客は、別館にだけ入れ、短い時間だけそれぞれの宝石を見て回ることだけができる仕組みだ。
『絵画を彩る宝石たち』と題されていたそれらは、今は絵画とは無関係に飾られている。
私は改めて絵画とは無関係に飾られている宝石を見つめた。
改めて見てみると、12色の宝石は、それぞれ誕生石でもある。
私が8月の誕生石にことさら興味をひかれたのは、そのペリドットの色味が秀一の瞳の色を連想させたからだ。
――秀一、今何しているんだろう――
今回、ビッグジュエルとされているのは4月の誕生石であるダイヤモンドだ。
さすがビッグジュエルというだけあって、他のものとはサイズが違う。
ただ、他の宝石たちが小さいとは思えなかった。
これ、総額いくらするのかな。
ダイヤモンドは他の宝石と比べても、ひときわ厳重に保管されていた。
人の流れに合わせ一通りの宝石を見終わったのは午後2時を過ぎたところだった。
私たちは休憩室に向かう。
中森警部をはじめ、朝から張りついているであろう警察の人たちはややぐったりした面持ちで座り込んでいる。
わざわざキッドは犯行時刻を予告しているのに、警官たちはどうしてこんなに早くから準備をしているのかと私は不思議な気持ちになった。
もしかして、キッドの予告状を信じてないからーー?
81人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まつり | 作成日時:2022年5月19日 15時