鳩と雨4 ページ9
土砂降りの中、ドラッグストアに行き、メモを見ながらあれこれ買い物を済ませた。
なにせ、普段DSで買い物なんてすることがないので、どこに何があるのかさっぱりわからない。ケガや病気とも無縁だしな……。
なんとか買い物を済ませて家に帰るころにはもうとっくに30分近くが経過していた。
鍵は閉めたはずだし、実際に鍵は締まっていたのに鍵を開ければ当たり前みたいに沖矢さんがそこにいて、青年の服を脱がせたうえで何やら応急処置を行っていた。
青年は寝込んでいるようだけれど、私たちは会話をしない方がいいに違いない。
実際に物音で私の帰宅に気づきこちらに視線を投げた沖矢さんも、しいと人差し指を自分の唇に当てて見せた。
私は無言でレジ袋を渡す。その中身を見て、てきぱきとあれこれ始めたけれど私はさすがに見知らぬ男性の上半身を直視するのもあれで、テーブルの上、タオルの上に乗せておいた鳩に目をやった。
まだ眠っているから、こっちも心配だわ……。
しかし、さすがに鳩のことまでは知らないに違いない。
沖矢さんは本当に手早く対応すると、では、と帰って行った。
すぐにメールが来て、確かにかすり傷なので病院に行かなくても大丈夫な旨と、起きたらあの薬を飲ませて欲しいという旨がやってくる。
それから、君が心配している鳩は眠っているだけだから、触るのはやめておいてあげた方がいいですよ、とも書いてあった。それ、部屋にいる時に教えて欲しかった……。いや、触ってないよ。遠くから眺めているだけだけど。
最後に、君のことがとてつもなく心配だからこれ以上安易に人を拾うのはやめてくれないか――と、追記されていた。
だから、その辺で拾ったわけじゃないんだけどな……。彼は鳩のおまけです。私の話、聞いてた？
そうして、メールを閉じた後でもう一通別のスマホからメールを送るのはずるいよね……。
「Thank you for calling me earlier.I'm always here for you.(さっきは電話ありがとう。いつでも頼って)」
この一言がなければ、私は電話で彼を頼ったことが正解なのかどうか見極めることさえできなくて……。
本当に沖矢さんと私とは難しい距離感だなとしみじみ思いながら、相変わらずソファで横になって眠り続けている綺麗な顔をした青年に、タオルケットをかけてあげた。
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まつり(プロフ) - おさょさん» ありがとうございますー！スパダリいいですよね。 (2022年10月15日 15時) (
レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
おさょ(プロフ) - スパダリ最高です！ありがとうございます0(:3 )〜 ('､3_ヽ)_ (2022年10月15日 15時) (レス) @page3 id: ab6fcf8d72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まつり
| 作成日時：2022年10月14日 21時
