疑惑32 ページ5
翌朝、私が目を覚ましたのは10時も過ぎた頃だった。
もちろん、隣には誰もいない。
私は掛け布団を鼻に当てて何度も息を吸い込んでしまう。
見つかるたびに「匂いフェチにもほどがある」とかシュウに呆れられて布団を取り上げられるんだけど、いない時くらい許されるよね？
ほんっと、このままこの掛布団を持って帰りたい――。
本気でそう思うが、私の部屋にはいつだって零が自由に出入りできるからそんなの許されないこともわかっていて心臓の奥が痛んだ。
指先を見ると、爪がとても綺麗に整っていて嬉しくなった。私が部屋に放置していた指輪も、右手の薬指につけられていて胸がときめく。
――嬉しいなと思うと同時に、でもこんな日々を長く続けられるわけもないことを私は知っていた。
いくら零が不在でも、私は休み中ずっとここで過ごすわけにはいかない。
阿笠邸と隣接しているため、隣人である哀ちゃんに見つかるリスクもゼロじゃない。
沖矢昴のチョーカー型変声機を作った阿笠博士はもしかしたら私たちに協力してくれるかもしれないけど、哀ちゃんにばれたらその話は速攻コナン君の元へと行って面倒なことになるのは間違いない。
それに、私のもとには蘭ちゃんから「明日はうちに来るよね？待ってるよ❤」とメールが入っているし、シュウのもとにはコナン君から「そういえば、そろそろ蘭ねーちゃんが新一にーちゃんの家を掃除に行く時期だよー？ 合い鍵持ってるし、もちろん、事前連絡なんてないからね」と脅しとも取れるメールが入っていた。
――小学生探偵が、うっすら何かに気づいてけん制しているとしか思えなかった。怖い。
どうしてコナン君って私たちの邪魔するのかなと呟いたら、シュウは「自分ができないことを人がやっていると腹が立つものだ」と意味の分からないことを言った挙句、詳細は説明してくれなかった。
そんなわけで、昨夜のうちに、シュウとは話が付いている。
彼は私が眠っている間にもう、大学に向かっているはず。
私も小学生が家にいない午前中のうちにここを出て、家に帰り、夕方は毛利邸に向かうつもりだ。
私は服を着替えて、ダイニングへと向かう。
コーヒーメーカーのスイッチさえ入れればコーヒーができるようにしておいてあげる。パンも用意しておくから食べて帰って、と言ってくれたのでその言葉に甘えることにした。
いくら蘭ちゃんだって平日の昼間にここにやってくることはないだろう。
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まつり(プロフ) - おさょさん» ありがとうございますー！スパダリいいですよね。 (2022年10月15日 15時) (
レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
おさょ(プロフ) - スパダリ最高です！ありがとうございます0(:3 )〜 ('､3_ヽ)_ (2022年10月15日 15時) (レス) @page3 id: ab6fcf8d72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まつり
| 作成日時：2022年10月14日 21時
