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米花百貨店にて3 ページ34

反射的に私の手を掴む沖矢さんを振り切ることもできないまま、蘭ちゃんの方に目をやれば、爆弾を巻き付けられたという男が、赤い長そでシャツの暗号の謎を解けとわめいていた。

フロアを閉鎖すると言われ、身動きが取れなくなっていた。

「怖がりのあなたのためには後方にいるべきだとわかっていますが、さっさと暗号を解かないと身動きが取れないから見えるところにいくしかないようですね。――今はそれどころじゃないというのに、全く。

 ああ、Aさん、もしも私の傍から逃げるのであれば、躊躇なく腕の中に閉じ込めるのでそのつもりで。もちろん、万が一の時は私が守るのでご心配には及びませんよ」

人好きのする穏やかな笑みをその整った顔に浮かべ、耳がうっとりするくらいの優しい声音と丁寧な口調だったので、実は宥めると同時に脅されていたと気が付くまでに若干の時間がかかった。

……え? それって私が動いたらこの場で人目も気にせず抱きしめるって言ってる? と思ったときにはすでに遅く、フロアは軽口が叩けないくらいの緊張感で静まっていたし、私はそこそこ前方に位置どった、沖矢さんの傍から動くことができない。

ほら、ほんの一瞬こちらに目をやったコナン君の『昴さん、本当に正体明かしてないよね? 偽装死の意味わかってる?』って言いたげな眼差し、見た?

まあ、今はそれどころじゃないし、そんなボウヤの視線を気にするような人でもないよね。

爆弾を解除するために、暗号を解かなければいけない……。

私は謎解きに関しては、毛利探偵とコナン君を信じることにしてフロアをこっそり見渡す。

黒い服を身に纏っている人は何人かいて……。

たくさん人がいるので、はっきりと見極めることができない。別のフロアに居るのかもしれないし……。


でも、どうして?

沖矢さんの言葉を信じるのならば、あれはシュウじゃない。

――でもどうして、あんなにシュウなの――?



そういえば、先日シュウは私の喋り方をそっくり真似て、電話で田中さんと喋ったことを思い出す。

もしかしたら、声はともかく喋り方をまねるのはそこまで難しくはないのかもしれない。


.



ぞくりと嫌な予感がした。

――シュウがあんな風に私を見つめて、あんな風に抱きしめて、私の耳元で英語で囁いて、Kittyって呼ぶことを知っている人なんて。




私とシュウを除けば、降谷零しかいない。

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まつり(プロフ) - おさょさん» ありがとうございますー!スパダリいいですよね。 (2022年10月15日 15時) (レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
おさょ(プロフ) - スパダリ最高です!ありがとうございます0(:3 )〜 ('、3_ヽ)_ (2022年10月15日 15時) (レス) @page3 id: ab6fcf8d72 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まつり | 作成日時:2022年10月14日 21時

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