有給休暇の過ごし方7 ページ21
だいぶ長い間膠着状態が続いていたが、新たな発砲音をきっかけに警察官がなだれ込んでいく。
私は、出て行く人１人１人を目を凝らして見つめていた。黒服を身に纏った男が人ごみに紛れるように銀行から出てきた。
私は慌てて彼を追う。
何度かの曲がり角まではしっかりと後を追えていたと思う。
――でも、いくつめかの路地を曲がったあたりですっかりその姿を見失ってしまった。
気付けば、ジョディともはぐれてしまった。
でも、彼女が近くに居ないということはそもそもジョディもシュウの尾行には失敗しているのだ。
現役FBIが無理なことが私にできるはずもない。
そろそろ、日も暮れようとしていた。
すっかり迷子になった私は、手近なカフェに入ってコーヒーを飲む。後はタクシーを拾って自宅に帰れば済むことだ。
さすがに、ロンドンと新一のことで頭がいっぱいな蘭ちゃんのところに立て続けにお邪魔するのも申し訳なかった。
それにしても、ずいぶんと出来の良い偽物だった。ついていきたくなる気持ちもよくわかる。
そもそもが、沖矢さんが全く赤井秀一っぽくないのが悪いよね。
いや、もちろんそうするほかないんだけど。わかっているけど――。
――ああ、頭が混乱する。
.
沖矢さんからは、【銀行のカメラで君の言う男の姿は確認できた。確かによくできた偽物だ。怖い想いはしていないか、迎えに行こうか？】という旨のメールが送られてきた。
どう答えていいものか思案していると電話がかかってきた。
「もしもし、僕だ。今どこにいる？
長い間一人にしてごめん。やっと仕事から解放された。今日は一緒に過ごせるんだけど、どこに迎えに行けば君に逢える？ どこにでも、Aが望むところに迎えに行くから教えてくれないか？」
降谷零だ。
元気そうな声で良かった。
私はカフェの店名を告げる。
そして、沖矢さんには「今日はありがとう。もう、困ってないから大丈夫」とメールを送り、送信履歴ごと削除した。
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まつり(プロフ) - おさょさん» ありがとうございますー！スパダリいいですよね。 (2022年10月15日 15時) (
レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
おさょ(プロフ) - スパダリ最高です！ありがとうございます0(:3 )〜 ('､3_ヽ)_ (2022年10月15日 15時) (レス) @page3 id: ab6fcf8d72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まつり
| 作成日時：2022年10月14日 21時
