疑惑30 ページ3
赤井秀一のときめきポイントはたくさんあると思うんだけど、やっぱりあれほどルックスがいいのに本人が無自覚無頓着という部分はその中でも特に上位のポイントでしょ？
――と、思い込んでいたのだけれど。
一緒にふろに入ろうと言われて、「それは恥ずかしい……」と断っても「どうして？ 君は俺の顔と声が好きなんじゃないのか？全身くまなく目にするチャンスだが」と意味の分からない言葉と魅惑的な態度で迫られて、もはや断りきることができず最終的には承諾してしまったので、スタイルとルックスに無自覚無頓着でなくてもかっこいい人はかっこいいことを目の当たりにしただけだった。
そんなわけで、恥じらいとときめきがまぜこぜになった心境で若干のぼせ加減のまま、髪の毛から足の指先までとても丁寧に洗ってもらって、ドライヤーで髪を乾かされた後ソファでぼうっとしている私は、楽しそうに笑うシュウから受け取った水を飲んでいた。
私が彼を洗ってあげるような余裕は一ミリもなかったが、彼は気にすることはないといい、相変わらず水でも飲むような勢いでバーボンをあおっている。
.
寝室だけは他の部屋と違い、煙草とバーボンの匂いに満ちていて、私は彼の生前何度も足を運んだ彼の部屋を思い出した。
シュウに煙草を吸ってもいいかと言われたので、どうぞ遠慮なくと言えば、彼は火をつけた煙草を咥え、パソコンを開いて何事か検索し始める。――そこに居るのは本当に、5/13以前の赤井秀一に他ならなかった。
パソコンを覗き込むわけにはいかないので、私は勝手に広いベッドに上がり込み座ってシュウを眺める。
――私が煙草とバーボンを買ってもこの匂いは再現できなかった。もう絶対に嗅げないとあきらめた香りがそこにあって、私は掛け布団をぎゅうと抱きしめる。
「まいったな――duvet(掛け布団)に嫉妬する日が来るとは」
それに気づいたシュウはそう呟き、ノートパソコンをぱたりと閉じると、私からそっと掛け布団をとりあげ代わりに腕の中に私を閉じ込めるように抱きしめ、「こっちが本体だ、Kitty」、と囁いて私の大好きな指で顔や頬やうなじを撫でながら、耳に頬に髪に唇にキスをする。
「君に淋しい想いをさせたくはなかったのに――すまない」
「本当に、もう居なくならないでね」
「ああ、出来る限り善処する――君には二度と一人で薔薇の花束なんて買わせない」
シュウはそう言うと、どうして知っているの？と質問する前にキスで私の唇を塞ぐ。
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まつり(プロフ) - おさょさん» ありがとうございますー！スパダリいいですよね。 (2022年10月15日 15時) (
レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
おさょ(プロフ) - スパダリ最高です！ありがとうございます0(:3 )〜 ('､3_ヽ)_ (2022年10月15日 15時) (レス) @page3 id: ab6fcf8d72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まつり
| 作成日時：2022年10月14日 21時
