有給休暇の過ごし方4 ページ18
「そういう噂、あちこちで出てたってジョディがこの前私に教えてくれたじゃないですか。
それに、日本の警察は優秀なんでしょう？」
それでも、実際に目の当りにしたら本人としか見えなかったということなんだろう。
彼女のこわばった表情がそれを物語っていた。
偽物の赤井秀一のクオリティがあがってきたのかもしれない。最初に目撃されてから結構な日にちが経っている。
それにしても田中さんの情報は正確だなあ。イケメン情報網怖い……。
「じゃあ、偽物かどうか確かめに行きましょう。私、米花町で過ごす【赤井秀一】ルーティーンなら割と詳しいですよ？
でも、その前に銀行に寄って行ってもいいですか？ この機会を逃すとまた足が遠ざかりそうで」
やっと自分で銀行に行く気が湧いてきたのに、赤井秀一を探していたら銀行が閉まってしまう。
「あら、そう言えば私も本当はお金をおろしに行くところだったの」
私と話して少し気が収まったのか、ジョディがそう言ってくれたのでほっとした。
私たちは、近くのていと銀行へと足を運んだ。
ジョディに続いてさっさと銀行に入る。
「シュウ？ シュウでしょう？」
ジョディの行く先を見れば……。確かに黒服に身を包んだ、赤井秀一がそこに居て、私は息をのむ。
彼はジョディの質問には一切答えない。まるで聞こえないかのように前を向いていて――。
「シュウ、なの？」
私はわざわざ赤井秀一の目の前にたって顔を覗き込んでそう問いかけてみた。
近くで見ても、やはり彼はシュウにそっくりだ。本物に会う前なら私も信じたはず。
シュウは、無遠慮に真正面から問いかけた私を見て、ほんの一瞬瞳孔を見開いた。そうして、ふいと視線を逸らす。
私もさすがにそんな人の真正面に立ち尽くすのは難しく、場所を変えることにした。
「シュウ、記憶喪失なのかしら？それとも、耳が聞こえないとか―？」心配そうにジョディが問う。
「どうなんでしょう……。私平日の昼間こんなに銀行が混んでいるって知らなかったの。急ぎの用じゃないからまたにしますね」
「え？ シュウのことはいいの？」
「だって私と話をしてくれないシュウなんてシュウじゃない」――そもそも、顔に火傷のある赤井秀一は偽物だ。本人がそういうのだから間違いない。
「あら、シュウが話をしないのはいつものことよ」ジョディはきっぱりそう言い切った。
ジョディの説得方法がないので、仕方なく私は１人、一足先に銀行から出ることにする。
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まつり(プロフ) - おさょさん» ありがとうございますー！スパダリいいですよね。 (2022年10月15日 15時) (
レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
おさょ(プロフ) - スパダリ最高です！ありがとうございます0(:3 )〜 ('､3_ヽ)_ (2022年10月15日 15時) (レス) @page3 id: ab6fcf8d72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まつり
| 作成日時：2022年10月14日 21時
