有給休暇の過ごし方1 ページ15
待ち合わせの場所には、蘭ちゃんと園子ちゃんが居た。
工藤邸に定期的に掃除に行っているのでそのつもりで家に行ったら、知らない人がいて慌てたという話を面白おかしく教えてくれた。
「でも、昴さんって本当イケメンー!うっかり間違えたふりでまた会いに行きたーい!」と園子ちゃんが盛り上がっていて微笑ましかった。そう言えば、少年探偵団の子供たちも『昴さん』って呼んでいたっけ。
別人になったらまた別の方面から人気が出るあたり、本当に隙がないよね。さすがシュウ。
「あのね、園子。京極さんが聞いたら悲しむよー?」と、蘭ちゃんが言う。
「そうそう、イケメンと言えば今日は怪盗キッド様も出たって言うじゃない!
午前中に出没するなんて珍しいわよね」園子ちゃんは蘭ちゃんの言葉をスルーしてそういった。
園子ちゃんによると、とある宝石店がイベント目的でレンタルしていた大きなダイヤモンドの指輪を盗んで行ったらしい。
張り切った新人警官が発砲してしまい、そこでも話題になっているとか。
――こうなると、私の拾った鳩についてきた青年は間違いなく怪盗キッドと思っていいのかもしれない。「カイト」というのはきっと、怪盗をもじった偽名なんだ、と見当をつける。
仕方ない、今回は可愛い鳩に免じて君のことは忘れてあげよう。
『沖矢さん』だって、多分簡単に警察とは接触しないはず。……しないよね?
そもそも、私は本当に何も考えていなかったけれど、沖矢さんはきっと、青年が「警察には行けない」って言ってる時点である程度察しているんじゃないかしら。
――察していると良いんだけど。毛利邸にお邪魔する都合上、今日はあいにく、シュウには連絡ができそうにない。だって、小さな探偵君が目を光らせているはずだから。
.
私たちは帰宅する園子ちゃんに手を振り、蘭ちゃんとあれこれ買い物をして、土砂降りの中、毛利家へと急いだ。
毛利邸で夕食を取り、4人で食べる。
蘭ちゃんの口から「そういえば、突然なんですけど来週末、ロンドンに旅行に行くことになったんですー!Aさん、ロンドンで暮らしていたんですよね?」という、話が出てきた。
何でもロンドン在住の方の猫を見つけて捕まえたあげたのがきっかけらしい。
「あら、素敵。来週にはきっと私も自宅に帰れるわ。楽しんできてね」
毛利探偵の手前、私は自宅が改修工事中でお邪魔しているていにしていたのだ。
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まつり(プロフ) - おさょさん» ありがとうございますー!スパダリいいですよね。 (2022年10月15日 15時) (レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
おさょ(プロフ) - スパダリ最高です!ありがとうございます0(:3 )〜 ('、3_ヽ)_ (2022年10月15日 15時) (レス) @page3 id: ab6fcf8d72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まつり | 作成日時:2022年10月14日 21時