疑惑28―赤井Side― ページ1
万が一、組織の誰かに外からその姿を見られぬよう、強制的に横にさせたAにジャケットをかけたら、そのうち眠ってしまったようでホッとする。
しかし、あの写真はゾッとした。
窓の向こうに居る偽物の赤井秀一の様子はなかなか悪くない出来だった。
それはまあいい。俺でないことは自分が一番よくわかっている。
問題は窓ガラスにうっすらと映っていた―コルンとキャンティだ。
普通に見ている分には多分、気が付くこともないだろう。
しかし、奴らどうして日本に来ているんだ――？
何か大きな動きが近々にあるのなら、キールから連絡があるはずだ。
そうでないのなら――。
例えば、「赤井秀一」を殺しに来た、とか？
しかし、こんな近くにいるのに見つけられないことってあるだろうか。
いやまあ、あるよな。コルンとキャンティなら。
それとも、この「赤井秀一」ごと、組織関係者なんだろうか。
いや、なんとなく心当たりはある。
金髪美人と歩いていたという降谷零――。
これは、ベルモットとバーボン、と考えるとしっくりくる。
変装するのもさせるのも得意なのはベルモット。
「無口な赤井秀一」というのは、一見俺の特徴を捉えているだけかもしれないが、「喋れない」という可能性も考えられる。
ベルモット本人が変装すれば喋れるだろう。正直、情報収集が目的なら喋った方がいい。黙っているだけでは、そうそう情報などはいってはこない。
夜の繁華街
銀行
米花百貨店――
目撃情報を時系列順に並べれば、当初は夜の街で練習し、自信をつけて日中に出る率が高まっているようだった。
なにはともあれ、組織に事情を明らかにして変装しているのとそうでないのとでは雲泥の差だ。
目撃情報と日時に法則性があるかどうか頭の中で計算する。
不穏な空気が漂っているこの写真を、自分のスマホに転送してAのスマホからは削除した。
「つきましたよ」と声をかけると、Aがゆっくり目を開く。体を起こすと俺の手を掴んで――突然ふわりと、およそ「沖矢昴」相手には見せないような甘い笑みを見せるのでくすぐったい気分になる。
「どうかしましたか？」
「ううん、家についたから【あなた】に逢えると思って」
「ええ、すぐに」
本当にそれだけだろうか。珍しく―おそらく初めて―幸せそうに「沖矢昴」の手を掴むAからはそれ以上のことが聞き出せなかった。
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まつり(プロフ) - おさょさん» ありがとうございますー！スパダリいいですよね。 (2022年10月15日 15時) (
レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
おさょ(プロフ) - スパダリ最高です！ありがとうございます0(:3 )〜 ('､3_ヽ)_ (2022年10月15日 15時) (レス) @page3 id: ab6fcf8d72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まつり
| 作成日時：2022年10月14日 21時
