Sweet Morning1 ページ10
目が覚めたとき、身体には甘い疲れが残っていた。
確かに「痛み」とまでは明言できないかもしれないけれど、体中――特に下腹部とか脚とかには、重だるく引きずるような疲れが残っている。
ふわりと左側から手が伸びてきて頭をそっと撫でられた。
ドキッとして顔を向けると、薄明かりに満たされた部屋でシュウがほっとしたような笑みをみせた。
その笑顔自体はドキッとするほどかっこいいけど――。
でも――
「おいで。無理させて悪かったと思ってる。君が全然動かないから心配していた、目が覚めてよかった」
小さな声でそっと囁く。
「やだ、シュウ嫌いっ」
彼の手を掴んだままそう言うと、頬に触れるだけのキスが降ってきてそっと抱き寄せられた。
「それは困った。君が俺のことをもう一度好きになってくれるまで何でもしよう」
「零は？」
「眠ってる」
シュウの視線を辿るように、自分の右手をぎゅっと後方に伸ばせば、確かに人の存在があってホッとする。起こさないように手を離す。
「シュウも寝て？」
「――ほぉ、嫌いな相手にずいぶん優しい言葉だな」
くすりと笑って私の頬を撫でる。
「いいから、寝て」
お休みのキスがないと眠れない、君ももう一度眠ってくれるなら俺も寝よう、というシュウの頬にそっと唇を押し付ける。
シュウは諦めたのか、私の額にそっと優しくキスをした。
「君がどんなに俺を嫌いって言っても、俺は君を嫌いになったりしないから心配しなくていい――まだ、朝までにはずいぶん時間がある。ゆっくりおやすみ」
本当、シュウはオトナで、ずるくて、とても優しくて――私のことをよくわかっている。
1人になるのが怖くて、本音を飲み込みがちなことに気がついて、そんな風にしなくても大丈夫って言ってくれたんだと思う。
小さな秘密に気づいた上に、そんなこと気にしなくていい、安心していいよとそっと教えてくれたのが嬉しくて私は彼の胸にしばらく頬を摺り寄せた後、上を向いて再び眠りについた。
Sweet Morning2→←Secret Talk3―赤井side―
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まつり(プロフ) - さいさん» ありがとうございます！嬉しいです。 (6月4日 17時) (
レス) id: 6a01f04095 (このIDを非表示/違反報告)
さい - めちゃくちゃおもしろいです！シリーズの最初から一気に読んじゃいました！この作品大好きです！ (6月4日 17時) (レス) id: abd64666f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まつり
| 作成日時：2022年9月12日 15時
