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Happy Days16 ページ45

「……蘇芳主任、大丈夫ですか?」

田中さんは紙を見て黙り込んでしまった私に声をかけてくれた。

会社のロッカールームに来た私はシュウがキスと同時に、私の手を握って渡してくれたコーヒーショップのレシートの裏を見て途方に暮れていた。

彼の本当の目的はキスではなく、このメモを渡すことだったのだ。



そこには、走り書きでこう書いてある。

『becaful The C is in ur C』



おそらく、becafulは、Be carefulの略で気を付けて。urはyourの略だとして、最初のCはculprit(犯人)、次のCはcompany(会社)ということでいいんだろうか。

何この暗号。いくら時間がなくても、もう少し何かヒントがないとさっぱりわかんないんだけど。――私の推理力、自分と同レベルだって思いこんだりしてないよね?


とはいえ、

『気を付けて。犯人は君の会社にいる』と読んで間違えないんだろう。

どうして急にそんな手紙を……。


シュウとは昼には会うから、それまで気を付けてという警告でしかなくて、もちろん私を悩ませる気もさらさらないはず。だから、昼に会えばきっと、全部わかるはず。

でも、こんな手紙もらったら気になって仕事に集中できない。

犯人って、何の犯人……?このタイミングだと、昨日のあいつらってこと?



「ねぇ、田中さん。昨日の三人組って実は何か知ってる人だったりは……しないよね?」

まさか、彼女が私をはめたってこと?

いくらなんでもそんなことはないと、思うんだけど……。

田中さんは真っ青になって顔を横に振る。

「全然知らない人たちでした。ほんっと、怖かったですよねー。しばらく飲みに行くのやめようかなって思ってます。

 昨夜、ほらここに主任に会いにたまーにきてくれる金髪のお兄さん、偶然出会ったから話をしたら、血相変えて主任の方に走って行ったけど……。大丈夫だったんですよね?私怖くて見届けることもできなくてすぐに帰っちゃってごめんなさい」

「ええ、もちろんよ。田中さんのおかげで助かったわ。無事に帰宅してくれて良かった。ごめんね変なこと思い出させて。ほんっと、怖かったよね……」



じゃあいったい、このメモはどういうことなんだろう。

シュウに電話をすればすぐに解決するんだけど。

彼は口に出さないにせよ、『なんだそんなこともわからないのか』って思われるのかと思うと、なんかちょっと悔しい気がする。

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まつり(プロフ) - さいさん» ありがとうございます!嬉しいです。 (6月4日 17時) (レス) id: 6a01f04095 (このIDを非表示/違反報告)
さい - めちゃくちゃおもしろいです!シリーズの最初から一気に読んじゃいました!この作品大好きです! (6月4日 17時) (レス) id: abd64666f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まつり | 作成日時:2022年9月12日 15時

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