Sweet Morning2 ページ11
次に目が覚めたときは、朝が近づいている気配がした。
視線を感じて右側に目をやると、金色の髪がとても近くにあってドキリとした。
「ごめん、起こした？
昨夜は疲れたよね。もっと眠っていて大丈夫。今日はずっと傍に居る」零は王子様のように品のある整った顔で、とても優しくそういうと、私の頭を撫でて髪にキスする。
「零はもう寝ないの？」
「元々そう長くは眠らないんだ。もう、癖みたいなもので――慣れてるから。職業病かな」
本当に何もしないから抱きしめてもいい？ と聞くと私が頷くのを見てそっと腕の中に抱き寄せる。
「一緒に朝ごはん食べる？」
「いいよ、ここのビュッフェはきっと美味しい。まだ2時間はあるから眠って」
――私は、シュウに言うみたいに軽率に「嫌い」とは零には言えない。
だいたい、シュウが余計なことを提案したのが悪いんだもん。
「――体が重い」
「ごめん――君があんまりかわいいから夢中になりすぎた。次は絶対、優しくする」
「それは、2人っきりって意味だよね？」
「もちろん」だから安心して、と、頭を撫でてくれる零は心配になるくらい繊細で優しい。
「あとはそうだな――来週のお弁当は君の好きなものばかり入れてあげる、どう？」と提案してくれるから。
「――仕方ないな。そもそも、零じゃなくてシュウが悪いんだもんね」
私は文句を言う隙が無い。
しまった。これでは私も零と同様、「全部赤井秀一のせい」っていう結論で話を終える人になってしまいそう。
――でも実際にそうだもん。
そして、多分シュウはそういう風に言っても許してくれる、はず。
「そんなことない、さすがに昨夜は僕も同罪だ。悪かった」
じゃあ、次にポアロでコーヒー頼んだら、ちゃんと注文通りブラックコーヒー飲ませてねと言うと、わかったからもう少しおやすみと唇がキスで塞がれる。
いい子、と、頭を撫でられているうちに、気づけばまた私は眠りに落ちていた。
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まつり(プロフ) - さいさん» ありがとうございます！嬉しいです。 (6月4日 17時) (
レス) id: 6a01f04095 (このIDを非表示/違反報告)
さい - めちゃくちゃおもしろいです！シリーズの最初から一気に読んじゃいました！この作品大好きです！ (6月4日 17時) (レス) id: abd64666f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まつり
| 作成日時：2022年9月12日 15時
