溺愛禁止！1【赤井秀一】【安室透】

面倒見の良い隣人2 ページ7

「わかってますよ、飲みすぎたんでしょう？
　また、悪い男を引っかけてきたんですか？」

またとか、人聞きが悪すぎる。
でも、白湯をどうぞと親切に渡してくれる人を無下に追い返すのも難しい。

それに、多分一緒にお盆に乗っているのは私のために作ってくれたうどんだ！
あれだけは二日酔いの昼でもするすると食べられるし美味しいから、追い返すのももったいない。


立ち話で近所の人に聞かれるのもいやだからと、私はずるずると安室さんを家にあげてしまう。

いいんだろうか……。でも、全部安室さんの計算通りだよね、きっと。


「社内の悪い男に引っかかりそうだった所を友達が助けてくれたの。
　それで、憂さ晴らしに1人で飲みに行っただけ――。

　そこでちょっと飲みすぎて頭が痛いの。今日は仕事休みだし寝ておくから、安室さんはポアロに行って。あと、もう休みのたびに私のことを気にしてくれなくて結構です！」

彼氏でも家族でもないのに人の男関係に口を出すのはやめて欲しい。

散らかった部屋を見てため息をつきながら片付けるのもやめてください。

私の親はそこまで面倒見は良くなかったよ？


「――ハイハイ。そう思うならコートはきちんとハンガーにかけて、鞄は所定の位置に置く。あと、読む気のない雑誌を片っ端から買うのはやめるように」


面倒見の良い隣人は、なぜか私が天涯孤独の身となったことをことのほか案じてくれているのだ。

深く明かせないけれど警察関係と言うのであれば、きっと仕事柄そんな人は山ほど見ていると思うんだけど――。

なんでかな。

いつか、一緒に飲んで珍しく安室さんが悪酔いしたときに、「君のことはスコッチも気にしていたから忘れられないんだ」とか言ってたけど、どうしてウイスキーが私のことを気にするのかだいぶ意味が分からない。



まあ、きっと酔っぱらった世迷言なんだろうと思って突っ込まないでおいてあげているんだけれども。

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